転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
その様子をにこにこと見守る皇妃は、ほとんど口を開かないと思っていたら、三つ目のおにぎりに手を伸ばしていた。
(ほら、一緒に食べるご飯はおいしいって……)
皇妃の顔を見ていると思い出す。
もう会うことのできない両親や祖母、そしてずっと以前に亡くなってしまった祖父の顔を。
気がつけば、おにぎりはすべて皆の胃の中におさまっていた。甘い卵焼きも慣れればおいしく、鶏の唐揚げも好評だった。
最後に残ったハンバーガーをリヒャルトが手に取った時だった。
「ここで何をしている?」
声の方を振り返ったヴィオラは、座ったまま飛び上がりそうになってしまった。
中庭を皇帝が診ていたのだ。皇帝と対面したのは、あの晩餐会が最後だったヴィオラは首をすくめる。あまり、近くに寄りたい相手ではない。
「今日は天気がいいので、ここで昼食にしておりました、陛下」
にっこりと笑った皇妃が立ち上がり、皇帝に向かって頭を下げる。リヒャルトとセスも素早くそうしていたので、慌ててヴィオラも彼らに倣った。
「そうか、いや、しばらくこちらの様子を見ていなかったからな。元気にしているか」
「おかげさまで、健やかに過ごしております」
と、また皇妃はにっこり。
そうか――と皇帝は言うなり、くるりと向きを変えて行ってしまった。
(陛下は、なにがしたかったんだろう)
そう思ったけれど、ヴィオラにはその謎を解くことはできないのだった。
(ほら、一緒に食べるご飯はおいしいって……)
皇妃の顔を見ていると思い出す。
もう会うことのできない両親や祖母、そしてずっと以前に亡くなってしまった祖父の顔を。
気がつけば、おにぎりはすべて皆の胃の中におさまっていた。甘い卵焼きも慣れればおいしく、鶏の唐揚げも好評だった。
最後に残ったハンバーガーをリヒャルトが手に取った時だった。
「ここで何をしている?」
声の方を振り返ったヴィオラは、座ったまま飛び上がりそうになってしまった。
中庭を皇帝が診ていたのだ。皇帝と対面したのは、あの晩餐会が最後だったヴィオラは首をすくめる。あまり、近くに寄りたい相手ではない。
「今日は天気がいいので、ここで昼食にしておりました、陛下」
にっこりと笑った皇妃が立ち上がり、皇帝に向かって頭を下げる。リヒャルトとセスも素早くそうしていたので、慌ててヴィオラも彼らに倣った。
「そうか、いや、しばらくこちらの様子を見ていなかったからな。元気にしているか」
「おかげさまで、健やかに過ごしております」
と、また皇妃はにっこり。
そうか――と皇帝は言うなり、くるりと向きを変えて行ってしまった。
(陛下は、なにがしたかったんだろう)
そう思ったけれど、ヴィオラにはその謎を解くことはできないのだった。