転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
母と呼びたくなるような優しい面立ちのアデリナ皇妃とは違い、ティアンネ妃はきつい顔立ちをしている。顔立ちは整っているのに、美しいというより先に怖いという感情が先に立ってしまうのだ。
「あなた、皇妃に、いえ、皇妃陛下になにを吹き込んだの?」
「なにを、とは?」
「陛下は、最近満月宮をしきりに気にかけておられる。それは、あなたが満月宮に出入りするようになってからだわ」
「……それは」
ティアンネ妃がなにを考えているのか、ヴィオラにはわからなかった。
皇帝が満月宮以外のところで寝泊まりするのは噂になっていたけれど、それはリヒャルトも同じだ。
「皇妃陛下の――」
そこで言葉を切り、ちらりとティアンネ妃の方を見上げた。
「皇妃陛下のお菓子、とてもおいしいんです!」
(そうよ、ここは子供らしく!)
ここは、子供っぽく見せておいた方がいい。
ニイファに以前言われたことを思い出して、それを実践してみる。
「皇妃陛下の作るクッキーがとてもおいしくて、いつもご馳走になっているんです。陛下も、クッキーがお好きなのでは?」
「そんなことで、私がごまかされるとでも?」
「だって、それ以外知らないですもん」
いつもよりもあえて子供っぽく見える口調にしてみた。これで、ごまかされてくれればいいけれどどうだろう。
「あなた、皇妃に、いえ、皇妃陛下になにを吹き込んだの?」
「なにを、とは?」
「陛下は、最近満月宮をしきりに気にかけておられる。それは、あなたが満月宮に出入りするようになってからだわ」
「……それは」
ティアンネ妃がなにを考えているのか、ヴィオラにはわからなかった。
皇帝が満月宮以外のところで寝泊まりするのは噂になっていたけれど、それはリヒャルトも同じだ。
「皇妃陛下の――」
そこで言葉を切り、ちらりとティアンネ妃の方を見上げた。
「皇妃陛下のお菓子、とてもおいしいんです!」
(そうよ、ここは子供らしく!)
ここは、子供っぽく見せておいた方がいい。
ニイファに以前言われたことを思い出して、それを実践してみる。
「皇妃陛下の作るクッキーがとてもおいしくて、いつもご馳走になっているんです。陛下も、クッキーがお好きなのでは?」
「そんなことで、私がごまかされるとでも?」
「だって、それ以外知らないですもん」
いつもよりもあえて子供っぽく見える口調にしてみた。これで、ごまかされてくれればいいけれどどうだろう。