転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「では、あなたはたくさん訓練をしなくてはね?」

「俺は眠れなかったことなんてありませんよ、母上」

 こうやって、皇妃とリヒャルトが仲良くしている姿を見るのは、嬉しい。

「まあ、この子は。母に向かって、なんて口をきくのかしら」

 リヒャルトの腕をぴしゃりと叩く姿は、最初に顔を合わせた時からは想像もできない。

「仕事もあるし、俺は、もう行きます。ヴィオラ、今日のサンドイッチもおいしかった。ありがとう」

 リヒャルトが行ってしまうのは、ちょっと――いや、すごく寂しい。それがなにを意味しているのか、ヴィオラはまったく理解していなかった。

「ひとつ、聞いてもいいかしら」

 不意に皇妃が真面目な顔になるから、ヴィオラは戸惑った。皇妃がこんな風に深刻な顔でヴィオラを見たことはなかったから。

「リヒャルトのこと、どう思う?」

「どうって……」

 兄のようにふるまってくれるのは嬉しい。一緒におしゃべりをするのも楽しい。でも、リヒャルトにどんな感情を向けているのか、ヴィオラにもまだよくわからない。

 だから、首を横に振る。

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