転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
　それに、ヴィオラを取り戻したいと思うくらい大切な人がいてくれたのであれば、国にいた頃、あんなにも疎外感を味わわないで済んだはずだ。

　他にヴィオラに害を与えたいと思う人間と言えばザーラくらいしか思い当たらないけれど、国元を離れた今になって、国境を侵してまでヴィオラに手を出そうとする理由がわからない。

「どうした？」

　気がつけば、リヒャルトがこちらを見つめている。ヴィオラは首を横に振った。

「ごめんなさい、心当たりがなくて……」

「ヴィオラ様、大変申し上げにくいことなのですが」

　首を振るヴィオラに向かって、セスが問いかける。

「本当に心当たりはないのですか？　ヴィオラ様が、こちらの国に来た時も、途中で襲撃されていましたよね。あれは、ヴィオラ様を取り戻そうとする者達の仕業なのでは？」

「そ、そんなこと……」

　もう一度、首を横に振る。リヒャルトが険しい表情になった。

「セス、今それをヴィオラに聞くのか？」

「今聞かずに、いつ聞くというんです？」

　リヒャルトが割って入るのにもかかわらず、セスは続けた。

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