転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「ニイファ、服とか小物をまとめてくれる? 私、絵を描く道具をまとめてくる。あと教科書とノート、ヴァイオリンも! 部屋に置いてるクッキー型も忘れないようにしなくちゃ。ミナホ国の食材も持って行かないとね!」
ドレスや生活用品をまとめるのはニイファに任せ、ヴィオラは、勉強に使う道具と調理道具や食材をまとめることにした。調理器具は厨房に置かれているものを使うのだが、クッキー型やタルト型など、自分で買ったものもいくつかあるのだ。
リヒャルトが戻ってきた時には、まだ荷造りは始まったばかりだったけれど、その日のお茶の時間には、満月宮に移動することができた。
ヴィオラが事情を説明してもらえたのは、満月宮に移動してからだった。
ヴィオラの部屋は、皇妃の部屋の向かい側に用意されている。ニイファはその隣の小部屋があてがわれ、常に一緒にいられるように配慮されていた。
贅をつくした部屋の様子をじっくりと観察する間もなく訪れたリヒャルトは、難しい顔をしてヴィオラの正面に座っている。
「……皇妃様が倒れた?」
青い絹地のソファに腰かけたヴィオラのすぐ背後に立つニイファが、はっと息をのむのが伝わってきた。
「ああ、毒物が盛られたようだ。幸い、命を落とすほどのものではなかったのだが……」
「待ってください。この皇宮って、そんなに警備が甘いんですか? この間、私が誘拐されかけたばかりですよね?」
真っ先にヴィオラの頭によぎったのは、この国に来て最初の晩餐会での出来事だった。
あの時は、全員が飲むキノコのポタージュに毒キノコが紛れ込んでいた。あれだって、本来ならありえないことだ。
そして、今回は皇妃に毒物が盛られたという。
ドレスや生活用品をまとめるのはニイファに任せ、ヴィオラは、勉強に使う道具と調理道具や食材をまとめることにした。調理器具は厨房に置かれているものを使うのだが、クッキー型やタルト型など、自分で買ったものもいくつかあるのだ。
リヒャルトが戻ってきた時には、まだ荷造りは始まったばかりだったけれど、その日のお茶の時間には、満月宮に移動することができた。
ヴィオラが事情を説明してもらえたのは、満月宮に移動してからだった。
ヴィオラの部屋は、皇妃の部屋の向かい側に用意されている。ニイファはその隣の小部屋があてがわれ、常に一緒にいられるように配慮されていた。
贅をつくした部屋の様子をじっくりと観察する間もなく訪れたリヒャルトは、難しい顔をしてヴィオラの正面に座っている。
「……皇妃様が倒れた?」
青い絹地のソファに腰かけたヴィオラのすぐ背後に立つニイファが、はっと息をのむのが伝わってきた。
「ああ、毒物が盛られたようだ。幸い、命を落とすほどのものではなかったのだが……」
「待ってください。この皇宮って、そんなに警備が甘いんですか? この間、私が誘拐されかけたばかりですよね?」
真っ先にヴィオラの頭によぎったのは、この国に来て最初の晩餐会での出来事だった。
あの時は、全員が飲むキノコのポタージュに毒キノコが紛れ込んでいた。あれだって、本来ならありえないことだ。
そして、今回は皇妃に毒物が盛られたという。