転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「それは否定できない。今になって思えば、あのポタージュも、狙いの中心は母ではなかったかという気がする」
「あの場にいた全員、……皇帝陛下まで巻き込んでですか?」
ソメカイタケの毒性はさほど強くないとはいえ、意図的に引き起こされた事件なのだとしたら、皇帝まで巻き込むのはおかしい話だ。
「実を言うと、父上はキノコのポタージュはさほど好みではないそうだ。ただ、それを人に知られるのは嫌がっていてな……キノコのポタージュが出る時には、父上だけは別のスープが出されると厨房の料理人が証言した。俺も、知らなかったんだ」
皇帝としては、自分の好き嫌いを人に見せたくないものらしい。そのため、あの時のキノコのポタージュは、皇帝には供されなかったのだそうだ。
皇帝に出されたのは、芋を使ったポタージュで、上に乗っていたキノコは単なる飾り。ポタージュにされたキノコは苦手だが、飾りに使われるキノコは食べられるので周囲にはそうやってごまかしてきたらしい。
(好き嫌いがあるなんて、子供みたい……)
とは思ったけれど、口には出さない。ヴィオラにだって、苦手な食材はある。
自分が苦手だから、キノコ全体を禁止するのではなく、キノコが出される時には、自分の分だけこっそり違うものに入れ替えていたのだとしたら、そこまで横暴ではないと思う。
「それを知っていた人っているんですか?」
「厨房の料理人はもちろん知っているが、それ以外に知っているのは母上、それから他の妃達くらいだろうな。キノコのポタージュが供されるのは、年に数度と聞いているから、他の者が気づくのは難しいと思う」
「でも、それを言ってしまったら……」
不意に気づいてはならない事実に気づいてしまう。
「あの場にいた全員、……皇帝陛下まで巻き込んでですか?」
ソメカイタケの毒性はさほど強くないとはいえ、意図的に引き起こされた事件なのだとしたら、皇帝まで巻き込むのはおかしい話だ。
「実を言うと、父上はキノコのポタージュはさほど好みではないそうだ。ただ、それを人に知られるのは嫌がっていてな……キノコのポタージュが出る時には、父上だけは別のスープが出されると厨房の料理人が証言した。俺も、知らなかったんだ」
皇帝としては、自分の好き嫌いを人に見せたくないものらしい。そのため、あの時のキノコのポタージュは、皇帝には供されなかったのだそうだ。
皇帝に出されたのは、芋を使ったポタージュで、上に乗っていたキノコは単なる飾り。ポタージュにされたキノコは苦手だが、飾りに使われるキノコは食べられるので周囲にはそうやってごまかしてきたらしい。
(好き嫌いがあるなんて、子供みたい……)
とは思ったけれど、口には出さない。ヴィオラにだって、苦手な食材はある。
自分が苦手だから、キノコ全体を禁止するのではなく、キノコが出される時には、自分の分だけこっそり違うものに入れ替えていたのだとしたら、そこまで横暴ではないと思う。
「それを知っていた人っているんですか?」
「厨房の料理人はもちろん知っているが、それ以外に知っているのは母上、それから他の妃達くらいだろうな。キノコのポタージュが供されるのは、年に数度と聞いているから、他の者が気づくのは難しいと思う」
「でも、それを言ってしまったら……」
不意に気づいてはならない事実に気づいてしまう。