転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 たしかに鯛はおいしいけれど、こちらの国には祝い事の時に鯛を食べる習慣はないだろうし、必要以上の冒険は、やはり避けたいと思ってしまう。

 当日は、時間通りに始められるとは限らないから、厨房で温め直せばすぐに食べられる料理の方がいいかもしれない。

 煮込みハンバーグとか――あとは、チーズケーキを焼こうか。

 生クリームたっぷりのケーキもいいけれど、母のレシピで焼いたチーズケーキを、皇妃にも食べてもらいたい。魚のマリネにスープ――リヒャルトは豚汁が希望だけれど、バランスは悪くないだろうか。

「おにぎりも作りましょうか?」

「あの黒い海苔を巻いたものだろう? 母上は好きだが……数を用意するのは大変ではないか?」

「厨房の皆で握ったら大丈夫だと思います。作り方は難しくないので……でも、海苔を巻いた食べ物は、こちらの人にはおいしそうに見えないかな? じゃあ、パンも用意しましょう」

(……ビュッフェみたいにするのもありかもね)

 アンジェリカでは、時々、店を貸し切りにしていたこともある。

 その時には、大皿にいろいろな料理を盛り付けて、自分で好きなものを好きなだけ取るようにしていた。

 そういうスタイルにするならば、多数の料理が並んでいても問題ない。

 厨房が大変になるだろうから、前日に仕込みをしておいて、当日オーブンで焼けばいいような肉料理も入れておこう。

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