転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「あの、もしかして。厨房で食材の検査が終わったあと、誰かがソメカイタケを持ち込んだということはありませんか?」
「……やってやれないことはないだろうが」
元料理人は、顎に手を当てて考え込む。
皇宮の厨房がどのようなものかは知らないけれど、厨房にソメカイタケが持ち込まれたのが調理が終わったあとなのだとしたら、料理人には落ち度がなかったことになる。
「……つまり、誰かがソメカイタケを意図的に紛れ込ませたと」
「そうは思いませんか?」
以前話した、皇妃を狙ってのことではないかという話。今になってみれば、その方がしっくりくるような気がした。
「あ、でも――」
不意に思い出したように、元料理人は小さく声を上げた。
「あの日、侍女がひとり来てました。特別にミルクを分けてほしいと」
「どこの侍女だ? ミルクくらいなら、各宮の厨房で温められるだろうに。毎朝、配っているのではなかったか?」
「割り当てのミルクを零してしまったそうですよ。全部だめになるというのは珍しいと思ったんだが……ああ、そうだ。ティアンネ妃が温めたミルクが飲みたいと言っていたそうで。ついでに菓子の棚から焼き菓子も持って行きましたよ」
ティアンネ妃の侍女。なんだか、きな臭いにおいがしてならない――というのは、ヴィオラの考えすぎだろうか。けれど、リヒャルトも同じことを考えたみたいだった。
「……やってやれないことはないだろうが」
元料理人は、顎に手を当てて考え込む。
皇宮の厨房がどのようなものかは知らないけれど、厨房にソメカイタケが持ち込まれたのが調理が終わったあとなのだとしたら、料理人には落ち度がなかったことになる。
「……つまり、誰かがソメカイタケを意図的に紛れ込ませたと」
「そうは思いませんか?」
以前話した、皇妃を狙ってのことではないかという話。今になってみれば、その方がしっくりくるような気がした。
「あ、でも――」
不意に思い出したように、元料理人は小さく声を上げた。
「あの日、侍女がひとり来てました。特別にミルクを分けてほしいと」
「どこの侍女だ? ミルクくらいなら、各宮の厨房で温められるだろうに。毎朝、配っているのではなかったか?」
「割り当てのミルクを零してしまったそうですよ。全部だめになるというのは珍しいと思ったんだが……ああ、そうだ。ティアンネ妃が温めたミルクが飲みたいと言っていたそうで。ついでに菓子の棚から焼き菓子も持って行きましたよ」
ティアンネ妃の侍女。なんだか、きな臭いにおいがしてならない――というのは、ヴィオラの考えすぎだろうか。けれど、リヒャルトも同じことを考えたみたいだった。