転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
皇宮に帰る馬車の中、ヴィオラはリヒャルトにたずねてみた。
「ティアンネ妃って、そこまでするような方なんですか?」
「……そうだな、母上については憎しみを持っていてもおかしくはないと思う。もともと、俺が産まれたのと同じ年に彼女も出産するはずだったんだ」
リヒャルトはそう言ったけれど、ティアンネ妃には子供がいない。
ということは――途中で残念な結果になってしまったということなのだろう。現在の皇帝の代になってから、皇子や皇女が亡くなったという話は聞いていないから。
「……そうですか」
「父上の寵愛を考えたら、もし、彼女に息子が生まれていたら今頃彼女の子供が皇太子になっていたとしてもおかしくない。となれば、母上の地位を下げ、ティアンネ妃が皇妃になるということも十分考えられる」
この国において、皇妃は他の妃達より頭一歩抜きんでた位置に置かれることになる。だからこそ、妃達は互いに足を引っ張り合って、皇妃の地位を目指すのだ。
今、アデリナ皇妃がその地位にとどまっていられるのは、リヒャルトが皇太子だからというその一点にすぎない。
もし、皇妃やリヒャルトが大きな失敗を犯せば、その段階ですぐにでも皇妃の座から引きずり下ろされてしまうだろう。
「そう、だったんですね……」
ヴィオラは、ティアンネ妃を近くで見たのは一度だけ。それにしたって、ティアンネ妃がヴィオラに的外れな文句を言いに来たその日だけだ。
だから、皇帝が現在最も寵愛している妃であるということ以外、よくわからない。
「ティアンネ妃って、そこまでするような方なんですか?」
「……そうだな、母上については憎しみを持っていてもおかしくはないと思う。もともと、俺が産まれたのと同じ年に彼女も出産するはずだったんだ」
リヒャルトはそう言ったけれど、ティアンネ妃には子供がいない。
ということは――途中で残念な結果になってしまったということなのだろう。現在の皇帝の代になってから、皇子や皇女が亡くなったという話は聞いていないから。
「……そうですか」
「父上の寵愛を考えたら、もし、彼女に息子が生まれていたら今頃彼女の子供が皇太子になっていたとしてもおかしくない。となれば、母上の地位を下げ、ティアンネ妃が皇妃になるということも十分考えられる」
この国において、皇妃は他の妃達より頭一歩抜きんでた位置に置かれることになる。だからこそ、妃達は互いに足を引っ張り合って、皇妃の地位を目指すのだ。
今、アデリナ皇妃がその地位にとどまっていられるのは、リヒャルトが皇太子だからというその一点にすぎない。
もし、皇妃やリヒャルトが大きな失敗を犯せば、その段階ですぐにでも皇妃の座から引きずり下ろされてしまうだろう。
「そう、だったんですね……」
ヴィオラは、ティアンネ妃を近くで見たのは一度だけ。それにしたって、ティアンネ妃がヴィオラに的外れな文句を言いに来たその日だけだ。
だから、皇帝が現在最も寵愛している妃であるということ以外、よくわからない。