転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
あとは、トロネディア王国は、イローウェン王国と敵対する地位にあるから、彼女の前では弱みを見せない方がいいというくらいだろうか。
「だが、母上を殺めてまで地位を奪おうとしているのならば話は別だ。俺は、その企みを阻止しなくてはならない」
リヒャルトが、厳しい顔になって言う。その彼の横で、ヴィオラは、自分にはなにができるのかと考えずにはいられなかった。
もちろん、皇太子であるリヒャルトが追求すれば、なんらかの影響を与えることはできるのだろうけれど、証拠もないのに追及することなんてできるはずもない。
元料理人の証言も、「あの日、ティアンネ妃の侍女が厨房にいた」というだけでしかないのだから。
確実な証拠を見つけるか、動揺させて真実を吐き出させるかのどちらかしか、真実を見つけ出す方法はない。
「……そう、ティアンネ様が」
宮に戻ったリヒャルトの話を聞き、アデリナ皇妃は眉をひそめた。ティアンネ妃に対し、いろいろと思うところがあるのだろう。
「そうね、リヒャルトが無事に産まれた時――あの方は、私のことを気に入らないと言っていたようにも思うけれど」
ティアンネ妃は、もう四十代。いくら皇帝の寵愛を受けているとはいえ、今から子供を授かるのは難しい。
妃の中で、ティアンネ妃だけが子供に恵まれなかった。
彼女を支えているのは、自分の国を背景にした影響力と、皇帝の寵愛を一番受けているのは自分だという自負心だけ。
「だが、母上を殺めてまで地位を奪おうとしているのならば話は別だ。俺は、その企みを阻止しなくてはならない」
リヒャルトが、厳しい顔になって言う。その彼の横で、ヴィオラは、自分にはなにができるのかと考えずにはいられなかった。
もちろん、皇太子であるリヒャルトが追求すれば、なんらかの影響を与えることはできるのだろうけれど、証拠もないのに追及することなんてできるはずもない。
元料理人の証言も、「あの日、ティアンネ妃の侍女が厨房にいた」というだけでしかないのだから。
確実な証拠を見つけるか、動揺させて真実を吐き出させるかのどちらかしか、真実を見つけ出す方法はない。
「……そう、ティアンネ様が」
宮に戻ったリヒャルトの話を聞き、アデリナ皇妃は眉をひそめた。ティアンネ妃に対し、いろいろと思うところがあるのだろう。
「そうね、リヒャルトが無事に産まれた時――あの方は、私のことを気に入らないと言っていたようにも思うけれど」
ティアンネ妃は、もう四十代。いくら皇帝の寵愛を受けているとはいえ、今から子供を授かるのは難しい。
妃の中で、ティアンネ妃だけが子供に恵まれなかった。
彼女を支えているのは、自分の国を背景にした影響力と、皇帝の寵愛を一番受けているのは自分だという自負心だけ。