転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「私が、毒を盛ったのではないかと言われたこともあったわね」
「……そんなことまで?」
「ええ。お腹の子供がいなくなれば、ティアンネ妃が私の座を脅かすことはできなくなるから」
子供に聞かせるには、あまりにも刺激の強い話だと思った。しかし、この話を最後まで聞かなければならない、そんな気がした。
「――陛下は、なんと?」
「なにも。最初から、私には興味がなかったのでしょう」
「……皇帝陛下って冷たい人なんですね」
アデリナ皇妃の前で、ついうっかり、そんな本音が零れ出てしまった。アデリナ皇妃はくすくすと笑った。
「陛下が冷たいというわけでもないと思うの。あの方の心を占めているのは、今はもういない女性だけ。今、一番お気に入りの立場にあるのはティアンネ様だけれど……それだって、いつ薄れるかわからない希薄なものだわ」
そう言えば、皇帝には若い頃、深く愛した女性がいたらしい。若くしてなくなったその女性を今でも忘れられないのだと聞いたことがある。
そんな皇帝にとって、五人もいるお妃は、誰も同じに見えているのだろうか。側に置いている頻度が最も高いティアンネ妃でさえも、彼の心を掴み切れていないとは。
「……そんなことまで?」
「ええ。お腹の子供がいなくなれば、ティアンネ妃が私の座を脅かすことはできなくなるから」
子供に聞かせるには、あまりにも刺激の強い話だと思った。しかし、この話を最後まで聞かなければならない、そんな気がした。
「――陛下は、なんと?」
「なにも。最初から、私には興味がなかったのでしょう」
「……皇帝陛下って冷たい人なんですね」
アデリナ皇妃の前で、ついうっかり、そんな本音が零れ出てしまった。アデリナ皇妃はくすくすと笑った。
「陛下が冷たいというわけでもないと思うの。あの方の心を占めているのは、今はもういない女性だけ。今、一番お気に入りの立場にあるのはティアンネ様だけれど……それだって、いつ薄れるかわからない希薄なものだわ」
そう言えば、皇帝には若い頃、深く愛した女性がいたらしい。若くしてなくなったその女性を今でも忘れられないのだと聞いたことがある。
そんな皇帝にとって、五人もいるお妃は、誰も同じに見えているのだろうか。側に置いている頻度が最も高いティアンネ妃でさえも、彼の心を掴み切れていないとは。