転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「――ありがとう、ヴィオラ」

「私はなにもしていませんけど」

「君のおかげだよ、どれだけ感謝しても足りないよ」

 ヴィオラは特別なことをしたわけではないけれど……そう言ってもらえるのなら光栄だ。

 「それに、今日のヴィオラはとても可愛い。そうだな……葡萄のお姫様だ」

「葡萄って!」

 それって褒めたことになるんだろうか。けれど、皇妃もリヒャルトも幸せそうだから、そんなことはどうでもよくなってしまった。

(……これからきっと大きな事件が起こるから)

 ティアンネ妃も、今頃儀式の準備をしているだろう。そんな中に皇妃が出ていくのだ。ティアンネ妃がぼろを出してくれることを期待するしかない。

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