転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「――では、母上。まいりましょうか」
「年を取るのも悪くはないわね。息子の手を借りることができるんだもの」
重なり合った皇妃の手とリヒャルトの手。そこに流れているであろう感情が、ヴィオラの胸を熱くする。
ゆっくりと宮を出ていくふたりの姿を、ヴィオラはそっと見送った。
それから、ふたりのあとを追うようにして、ヴィオラは神殿にある皇族達の控室に向かう。ここで、ヴィオラには大切な役目が与えられているのだ。
「ニイファ、準備はできてる?」
「はい、ヴィオラ様。これをお持ちください」
トレイの上に乗せられているのは、井戸からくみ上げたばかりの冷たい水が入った硝子の水差し。それと同じく硝子のグラスがいくつか載せられている。
透明なそれは、窓から入ってくる日の光を反射してきらりと輝いた。トレイを捧げ持つようにして、ヴィオラは皇族の控室へと入る。
「お水をお持ちしました」
儀式の前には、水以外のものを口にすることは許されないので、新鮮な水を皇族達に配る。その役をヴィオラが与えられたのには理由があった。
「年を取るのも悪くはないわね。息子の手を借りることができるんだもの」
重なり合った皇妃の手とリヒャルトの手。そこに流れているであろう感情が、ヴィオラの胸を熱くする。
ゆっくりと宮を出ていくふたりの姿を、ヴィオラはそっと見送った。
それから、ふたりのあとを追うようにして、ヴィオラは神殿にある皇族達の控室に向かう。ここで、ヴィオラには大切な役目が与えられているのだ。
「ニイファ、準備はできてる?」
「はい、ヴィオラ様。これをお持ちください」
トレイの上に乗せられているのは、井戸からくみ上げたばかりの冷たい水が入った硝子の水差し。それと同じく硝子のグラスがいくつか載せられている。
透明なそれは、窓から入ってくる日の光を反射してきらりと輝いた。トレイを捧げ持つようにして、ヴィオラは皇族の控室へと入る。
「お水をお持ちしました」
儀式の前には、水以外のものを口にすることは許されないので、新鮮な水を皇族達に配る。その役をヴィオラが与えられたのには理由があった。