転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
儀式の会場は、数百人は入れそうな広い広間だ。
端の方に席を取ったヴィオラは、儀式が始まると他の人達と一緒に頭を垂れた。そうしながら、ちらりと目線を上げると、遠くの方にリヒャルトの姿が見えた。
ティアンネ妃をはじめ、皇帝の妃達、それにその子供達。他の人達とは違う、一段高くなったところにいるからよく見えるのだ。
彼との距離が、自分との身分の違いみたいに思えてならない。やっぱり遠い人なのだと突き付けられたみたいで胸が痛くなる。
けれど、今は祈りに集中しなくては。
懸命に祈りの言葉を繰り返しているうちに、ぎぎっと音を立てて神殿の広間が開かれる。奥の扉から出てきたのは、皇帝とアデリナ皇妃だった。
「どうして、皇妃陛下が……」
「二妃殿下が儀式を執り行うのではなかったの?」
ひそひそと、参列者達がささやき合う。
そう、皇妃は、今日まで体調不良ということになっていたのだ。その皇妃がこの場にいるのだから、皆が動揺するのもうなずける。
(とても、綺麗……)
皇帝の隣に堂々と立っているアデリナ皇妃を見て、ヴィオラは素直にそう思った。容姿の美しさだけではなく、自分が務めを果たすと決意したその姿勢が美しい。
白地に金で縁取りをした正装を着こなしている。そこには、二十年以上皇妃の座にあった女性にふさわしい、貫禄が感じられた。
端の方に席を取ったヴィオラは、儀式が始まると他の人達と一緒に頭を垂れた。そうしながら、ちらりと目線を上げると、遠くの方にリヒャルトの姿が見えた。
ティアンネ妃をはじめ、皇帝の妃達、それにその子供達。他の人達とは違う、一段高くなったところにいるからよく見えるのだ。
彼との距離が、自分との身分の違いみたいに思えてならない。やっぱり遠い人なのだと突き付けられたみたいで胸が痛くなる。
けれど、今は祈りに集中しなくては。
懸命に祈りの言葉を繰り返しているうちに、ぎぎっと音を立てて神殿の広間が開かれる。奥の扉から出てきたのは、皇帝とアデリナ皇妃だった。
「どうして、皇妃陛下が……」
「二妃殿下が儀式を執り行うのではなかったの?」
ひそひそと、参列者達がささやき合う。
そう、皇妃は、今日まで体調不良ということになっていたのだ。その皇妃がこの場にいるのだから、皆が動揺するのもうなずける。
(とても、綺麗……)
皇帝の隣に堂々と立っているアデリナ皇妃を見て、ヴィオラは素直にそう思った。容姿の美しさだけではなく、自分が務めを果たすと決意したその姿勢が美しい。
白地に金で縁取りをした正装を着こなしている。そこには、二十年以上皇妃の座にあった女性にふさわしい、貫禄が感じられた。