転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「とんでもありません。おいでいただけると思っていなかったので、陛下の椅子を用意しておかなかったのです。申しわけありません」
「そうだな。今後は、毎日用意しておくようにしろ」
「かしこまりました」
にっこりと笑った皇妃もまた、以前とはまったく違った雰囲気が漂っている。皇帝皇妃としての立場はともかく、夫婦としての立場は逆転してしまっているようだ。
(……これで、大丈夫なんですか?)
ちらりとリヒャルトの方に目をやり、視線でそう問いかければ、彼はなんてことないみたいに肩をすくめて返してきた。どうやら問題ないらしい。
(……夫婦喧嘩は犬も食べないって言うくらいだしね)
ヴィオラがやきもきしてもしかたのないところなんだろう、これは。
皇帝も、ミナホ国のお菓子には興味を持ったみたいだった。次から次へとみたらし団子を食べ、お代わりまで要求する。
よほど気に入ったらしく、皇妃が希望するならば、ミナホ国から菓子職人や料理人を雇おうかなどという話まで出てきたくらいだった。
つい数か月前まで、アデリナ皇妃が皇帝の冷たい仕打ちを嘆いていたのが嘘みたいだ。
「しかし、ヴィオラ姫の舌はたいしたものだな。このように、美味なものを作り出すとは」
「おいしいものを食べるのが好きなんです、陛下。幸せな気持ちになりますから」
「そうだな。そのことを、この年になってようやく知った気がする」
はたから見れば、それは平和な光景なのかもしれなかった。
皇帝と皇妃、それにふたりの間に生まれた皇太子。
側にいるヴィオラは、ちょっぴり場違いだけれど、テーブルの上に並んでいる食べ物の提供者ということで大目に見てもらいたい。
「そうだな。今後は、毎日用意しておくようにしろ」
「かしこまりました」
にっこりと笑った皇妃もまた、以前とはまったく違った雰囲気が漂っている。皇帝皇妃としての立場はともかく、夫婦としての立場は逆転してしまっているようだ。
(……これで、大丈夫なんですか?)
ちらりとリヒャルトの方に目をやり、視線でそう問いかければ、彼はなんてことないみたいに肩をすくめて返してきた。どうやら問題ないらしい。
(……夫婦喧嘩は犬も食べないって言うくらいだしね)
ヴィオラがやきもきしてもしかたのないところなんだろう、これは。
皇帝も、ミナホ国のお菓子には興味を持ったみたいだった。次から次へとみたらし団子を食べ、お代わりまで要求する。
よほど気に入ったらしく、皇妃が希望するならば、ミナホ国から菓子職人や料理人を雇おうかなどという話まで出てきたくらいだった。
つい数か月前まで、アデリナ皇妃が皇帝の冷たい仕打ちを嘆いていたのが嘘みたいだ。
「しかし、ヴィオラ姫の舌はたいしたものだな。このように、美味なものを作り出すとは」
「おいしいものを食べるのが好きなんです、陛下。幸せな気持ちになりますから」
「そうだな。そのことを、この年になってようやく知った気がする」
はたから見れば、それは平和な光景なのかもしれなかった。
皇帝と皇妃、それにふたりの間に生まれた皇太子。
側にいるヴィオラは、ちょっぴり場違いだけれど、テーブルの上に並んでいる食べ物の提供者ということで大目に見てもらいたい。