転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
その日の夜、ヴィオラはベッドに横になって考え込んでいた。
(……これで、一件落着、かな……)
アデリナ皇妃はもう望んでいないとはいえ、皇帝が皇妃を重視する立場をとるのだとしたら。
リヒャルトの地位は、ますます安定したものとなっていくのだろう。それはよろこばしいと素直に思う。
それよりも今、ヴィオラが怖いのは。
(これから、ティアンネ妃がどう出てくるかなのよね……)
謹慎から戻ってきたところで、皇帝のお気に入りの座を取り戻すことはできないだろう。皇帝が、皇妃との距離をつめたいと口にしたのがその証拠だ。
ただ、ティアンネ妃も、この皇宮で二十年近く生きのびた人だ。彼女の手足となる人物は、きっとあちこちにいる。
(ううん、協力者が誰もいないって方が不自然だと思う……)
今は、表に出てきていないだけで、きっと、協力者は存在するのだろう。
それが、どこの誰なのかヴィオラに探り出すすべはないけれど。
(やめやめ。考えてもしかたないし……)
そんなことよりも、もっと楽しいことに頭を使った方がいい。
扉一枚隔てた向こう側の部屋には、ニイファがひとりで寝ている。
ニイファも、本当によくやってくれている。
今の今まで、ヴィオラがなんとかやってこれたのは、ニイファの手腕によるところが大きい。
(ニイファにも、お礼をしたいわよね。新しいドレスとかどうかな……?)
こういう場合には、主がドレスを下げ渡すものだが、ヴィオラの方が圧倒的に小柄なので、ニイファにおさがりできるドレスはない。
今までの働きのお礼を皇妃からたくさんもらっているし、ニイファに新しいドレスを仕立ててあげようか。
それがいい――と暗闇の中、ヴィオラがひとり微笑んだ時だった。
(……これで、一件落着、かな……)
アデリナ皇妃はもう望んでいないとはいえ、皇帝が皇妃を重視する立場をとるのだとしたら。
リヒャルトの地位は、ますます安定したものとなっていくのだろう。それはよろこばしいと素直に思う。
それよりも今、ヴィオラが怖いのは。
(これから、ティアンネ妃がどう出てくるかなのよね……)
謹慎から戻ってきたところで、皇帝のお気に入りの座を取り戻すことはできないだろう。皇帝が、皇妃との距離をつめたいと口にしたのがその証拠だ。
ただ、ティアンネ妃も、この皇宮で二十年近く生きのびた人だ。彼女の手足となる人物は、きっとあちこちにいる。
(ううん、協力者が誰もいないって方が不自然だと思う……)
今は、表に出てきていないだけで、きっと、協力者は存在するのだろう。
それが、どこの誰なのかヴィオラに探り出すすべはないけれど。
(やめやめ。考えてもしかたないし……)
そんなことよりも、もっと楽しいことに頭を使った方がいい。
扉一枚隔てた向こう側の部屋には、ニイファがひとりで寝ている。
ニイファも、本当によくやってくれている。
今の今まで、ヴィオラがなんとかやってこれたのは、ニイファの手腕によるところが大きい。
(ニイファにも、お礼をしたいわよね。新しいドレスとかどうかな……?)
こういう場合には、主がドレスを下げ渡すものだが、ヴィオラの方が圧倒的に小柄なので、ニイファにおさがりできるドレスはない。
今までの働きのお礼を皇妃からたくさんもらっているし、ニイファに新しいドレスを仕立ててあげようか。
それがいい――と暗闇の中、ヴィオラがひとり微笑んだ時だった。