転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
ヴィオラのその願いを、天は聞き遂げてくれたみたいだった。高い音がしたかと思ったら、弾かれて床に落ちたのはセスの剣。そして、その喉には、リヒャルトの剣の切っ先が突き付けられている。
「――お前の負けだ」
「殿下には、かないませんね。絶対に、俺も負けられないと思っていたはずなのに」
そうつぶやいたセスは、意外なほどにすっきりとした表情をしているようだった。
「俺の負けです、殿下。処分はどのようにでもしてください。この場で首を切られても、文句は言いませんから」
冗談めかした口調で、セスはそんなことを言ってのける。
「そんなこと、するはずないだろ。お前は、お前の罪をしっかりと覚えておけばいい」
そう言うリヒャルトに、セスも返す言葉を持たないようだった。
◇ ◇ ◇
「私、ヴィオラ様をお守りする役には立たなかったんですね……」
ニイファがしょんぼりしているので、申しわけない気がしてきてしまう。
ニイファは、騒ぎの間ぐっすりと眠り込んでいて、翌朝になるまでヴィオラが襲われたのに気づかなかった。
「しかたないわ。セスは窓から入ってきたのだもの」
ここは三階だ。まさか、窓からセスが入ってくるとは誰も想像していなかったに違いない。
「私、リヒャルト様のところに行ってくる」
「……理由が必要ですよ、ヴィオラ様」
リヒャルトの様子を見に行こうとしたら、ニイファにそう言って止められた。
昨日の今日だ。リヒャルトが落ち込んでいるのではないかと心配になって様子を見に行こうとしていたのを、ニイファはすぐに気づいたようだ。
「――お前の負けだ」
「殿下には、かないませんね。絶対に、俺も負けられないと思っていたはずなのに」
そうつぶやいたセスは、意外なほどにすっきりとした表情をしているようだった。
「俺の負けです、殿下。処分はどのようにでもしてください。この場で首を切られても、文句は言いませんから」
冗談めかした口調で、セスはそんなことを言ってのける。
「そんなこと、するはずないだろ。お前は、お前の罪をしっかりと覚えておけばいい」
そう言うリヒャルトに、セスも返す言葉を持たないようだった。
◇ ◇ ◇
「私、ヴィオラ様をお守りする役には立たなかったんですね……」
ニイファがしょんぼりしているので、申しわけない気がしてきてしまう。
ニイファは、騒ぎの間ぐっすりと眠り込んでいて、翌朝になるまでヴィオラが襲われたのに気づかなかった。
「しかたないわ。セスは窓から入ってきたのだもの」
ここは三階だ。まさか、窓からセスが入ってくるとは誰も想像していなかったに違いない。
「私、リヒャルト様のところに行ってくる」
「……理由が必要ですよ、ヴィオラ様」
リヒャルトの様子を見に行こうとしたら、ニイファにそう言って止められた。
昨日の今日だ。リヒャルトが落ち込んでいるのではないかと心配になって様子を見に行こうとしていたのを、ニイファはすぐに気づいたようだ。