転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
慌ててベッドから降りて頭を下げようとしたら、彼は手でそれを制した。
「盗賊に襲われるとは、災難だったな、ヴィオラ姫」
「た、助けてくださり、か、感謝いたします……リヒャルト殿下」
そう、今ヴィオラの目の前にいる青年は、オストヴァルト帝国の皇子リヒャルトだった。
ヴィオラの記憶がたしかであれば、今年二十四歳の誕生日を迎えたところだったか。ヴィオラが十二歳の誕生日を迎えた直後であるから、十二支でいえばちょうど一回り違うことになる。
もちろん、この世界に干支の概念はないのだけれど。
「……そう硬くなるな。怪我人に必要以上の礼儀作法を求めようとは思わない」
冷たそうな人、というのが最初に抱いた印象だった。
とても背が高く、肩幅は広くてがっしりとしている。顔立ちは文句なしに整っていた。
濃茶の髪、同じ色の瞳――だが、その瞳は冴え冴えとしていて、温かみなどまるで感じられない。この人に、血が通っているのかと本気でたずねたくなるほどだ。
「盗賊に襲われるとは、災難だったな、ヴィオラ姫」
「た、助けてくださり、か、感謝いたします……リヒャルト殿下」
そう、今ヴィオラの目の前にいる青年は、オストヴァルト帝国の皇子リヒャルトだった。
ヴィオラの記憶がたしかであれば、今年二十四歳の誕生日を迎えたところだったか。ヴィオラが十二歳の誕生日を迎えた直後であるから、十二支でいえばちょうど一回り違うことになる。
もちろん、この世界に干支の概念はないのだけれど。
「……そう硬くなるな。怪我人に必要以上の礼儀作法を求めようとは思わない」
冷たそうな人、というのが最初に抱いた印象だった。
とても背が高く、肩幅は広くてがっしりとしている。顔立ちは文句なしに整っていた。
濃茶の髪、同じ色の瞳――だが、その瞳は冴え冴えとしていて、温かみなどまるで感じられない。この人に、血が通っているのかと本気でたずねたくなるほどだ。