転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「――髪型は、髪の両脇だけ後ろでまとめて、リボンにしてもらえる?」
「結い上げなくてよろしいのですか?」
「結い上げると頭が痛くなるから、嫌なの」
「かしこまりました。その方がよろしいでしょうね。子供だと思えば、目もつけられないですし」
湖に転落して以来、気になっていることが一つある。
この国に一緒に来てほしいと頼んだのはヴィオラだけれど、どうして、ニイファはあれほどまでの忠誠心をヴィオラに向けてくれるのだろう。でも、それを問いただすのも野暮なような気がして、まだ、問いかけることはできないでいる。
「――じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」
皇帝への贈り物は、今日は必要ないとされている。国元からの仕送りにもあまり期待はできそうにないので、それはそれでありがたい。
ニイファに見送られ、クィアトール宮の前に出ると馬車が待っていた。
太陽宮までは馬車に乗らないと移動するのも大変なのだ。
(……リヒャルト殿下は、あれからどうしているのかな)
人質としてこの国に来た小国の王女ヴィオラと帝国の皇太子であるリヒャルトには本来接点なんてない。
「結い上げなくてよろしいのですか?」
「結い上げると頭が痛くなるから、嫌なの」
「かしこまりました。その方がよろしいでしょうね。子供だと思えば、目もつけられないですし」
湖に転落して以来、気になっていることが一つある。
この国に一緒に来てほしいと頼んだのはヴィオラだけれど、どうして、ニイファはあれほどまでの忠誠心をヴィオラに向けてくれるのだろう。でも、それを問いただすのも野暮なような気がして、まだ、問いかけることはできないでいる。
「――じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」
皇帝への贈り物は、今日は必要ないとされている。国元からの仕送りにもあまり期待はできそうにないので、それはそれでありがたい。
ニイファに見送られ、クィアトール宮の前に出ると馬車が待っていた。
太陽宮までは馬車に乗らないと移動するのも大変なのだ。
(……リヒャルト殿下は、あれからどうしているのかな)
人質としてこの国に来た小国の王女ヴィオラと帝国の皇太子であるリヒャルトには本来接点なんてない。