転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
ヴィオラとしては気になるけれど、彼から連絡なんてなくても当然だ。彼にしてみれば、子供を一人救っただけのことだろう。別に、彼に一目ぼれしたとかそんな理由じゃない。
(……うん、好きになったってわけじゃないのよね)
ただ、彼の表情に浮かぶものがなんだったのか――考えてもわからない。それを判断するには、彼のことをあまりにも知らなすぎる。
そんなことを考えているうちに、馬車は晩餐会の行われる太陽宮に到着していた。
(……ここからが、勝負ね)
ヴィオラは自分のスカートをぎゅっと握りしめて、自分に気合を入れる。ここで、各国の王族や貴族と顔を合わせるのだ。
太陽宮のホールには、ヴィオラと同じように馬車に乗ってやってきた令嬢達が多数集まっていた。名前を呼ばれ、順番に晩餐会の間へと入っていく。
「イローウェン王国、ヴィオラ姫」
名前を呼ばれたのは最後だった。
ヴィオラが扉の前に立つと、両脇に控えていた侍従が扉を開いてくれる。先に席についていた人達の視線がこちらを向き、思わずヴィオラもたじろぐ。
(な、なんなの……)
ヴィオラに向けられる視線は、好奇心だけではなかった。値踏みしている目、自分より下の立場だと判断して安心している目……。
その場で丁寧に一礼し、ヴィオラは侍従に案内されて指定の席に着く。この国に来て一番日が浅いこと、年齢、国力、そのほかの様々な事例を加味してだろう、ヴィオラの席は末席だった。
(この場所なら、安心かも)
下手に皇帝一族のすぐ側に席を設けられるよりも、この方が断然楽だ。
(……うん、好きになったってわけじゃないのよね)
ただ、彼の表情に浮かぶものがなんだったのか――考えてもわからない。それを判断するには、彼のことをあまりにも知らなすぎる。
そんなことを考えているうちに、馬車は晩餐会の行われる太陽宮に到着していた。
(……ここからが、勝負ね)
ヴィオラは自分のスカートをぎゅっと握りしめて、自分に気合を入れる。ここで、各国の王族や貴族と顔を合わせるのだ。
太陽宮のホールには、ヴィオラと同じように馬車に乗ってやってきた令嬢達が多数集まっていた。名前を呼ばれ、順番に晩餐会の間へと入っていく。
「イローウェン王国、ヴィオラ姫」
名前を呼ばれたのは最後だった。
ヴィオラが扉の前に立つと、両脇に控えていた侍従が扉を開いてくれる。先に席についていた人達の視線がこちらを向き、思わずヴィオラもたじろぐ。
(な、なんなの……)
ヴィオラに向けられる視線は、好奇心だけではなかった。値踏みしている目、自分より下の立場だと判断して安心している目……。
その場で丁寧に一礼し、ヴィオラは侍従に案内されて指定の席に着く。この国に来て一番日が浅いこと、年齢、国力、そのほかの様々な事例を加味してだろう、ヴィオラの席は末席だった。
(この場所なら、安心かも)
下手に皇帝一族のすぐ側に席を設けられるよりも、この方が断然楽だ。