転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
帝国皇太子が兄貴分……ですか?
 その翌日、リヒャルトは再びクィアトール宮を訪れた。

(こんなにしょっちゅう来てたら、他の人達が気にするんじゃないかな)

 とは思ったけれど、来るなとも言えないので、昨日と同じ面会の間で応対する。

「何かありましたか?」

 ニイファに背後に立ってもらい、不安を隠しきれずに問いかけると、彼は首を横に振った。

「これは父上からの謝罪だ。きちんと、公的な書類という形にしてある」

「わざわざ、ありがとうございます」

 皇帝が、謝罪をするとは思ってもいなかった。

 それに、ヴィオラの舌が正確であるということを証明できたのは昨日のこと。

 昨日の今日で公的な書類を整え、謝罪までしてくれるというのはきちんと誠意を示してくれた証拠でもある。

「君のおかげで適切な処置ができたからな」

「でも、どうして昨日私のところに来たんですか?」

「君が、毒キノコが入っていると叫んだのを思い出したから」

 リヒャルトが表情を緩める。

 今日の彼は一人だ。昨日一緒に来た青年はどうしたのだろう。

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