転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「まだ足が痛むか?」
「もう大丈夫です。今日は普通の靴が履けたんですよ」
あの後、リヒャルトが騎士団で使っている薬を届けてくれた。その薬はとてもよく効いた。傷口も完全に塞がっていて、踵が擦れても痛みを覚えることはない。
「足が痛くないなら、俺と一緒に出かけないか。騎士団の訓練を見学するとか、庭園の花を見に行くとか。来たばかりで、見ていないものもいろいろあるだろう」
「騎士団! 騎士団の訓練が見られるんですか?」
ヴィオラの目がきらりと輝いた。
ヴィオラが最も好んで読むのは騎士の冒険譚だ。ドラゴンを退治して可憐なお姫様を救い出したり、魔王と対決したり。
冒険譚は読んでいてわくわくする。それは、この世界に生まれてからのヴィオラが室内にいることを選ばざるを得なかったからかもしれなかった。
「見せてもらえたら嬉しいです! 国にいた頃、見る機会がなかったので」
たぶん、頼めば誰か見せてくれたかもしれないけれど、ヴィオラのためにそんな手間を取らせるわけにもいかなかった。
国にいた頃の自分は――そして、記憶を取り戻す前の自分は、息をひそめていたのだなとここに来て改めて思う。
「もう大丈夫です。今日は普通の靴が履けたんですよ」
あの後、リヒャルトが騎士団で使っている薬を届けてくれた。その薬はとてもよく効いた。傷口も完全に塞がっていて、踵が擦れても痛みを覚えることはない。
「足が痛くないなら、俺と一緒に出かけないか。騎士団の訓練を見学するとか、庭園の花を見に行くとか。来たばかりで、見ていないものもいろいろあるだろう」
「騎士団! 騎士団の訓練が見られるんですか?」
ヴィオラの目がきらりと輝いた。
ヴィオラが最も好んで読むのは騎士の冒険譚だ。ドラゴンを退治して可憐なお姫様を救い出したり、魔王と対決したり。
冒険譚は読んでいてわくわくする。それは、この世界に生まれてからのヴィオラが室内にいることを選ばざるを得なかったからかもしれなかった。
「見せてもらえたら嬉しいです! 国にいた頃、見る機会がなかったので」
たぶん、頼めば誰か見せてくれたかもしれないけれど、ヴィオラのためにそんな手間を取らせるわけにもいかなかった。
国にいた頃の自分は――そして、記憶を取り戻す前の自分は、息をひそめていたのだなとここに来て改めて思う。