転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「市場に行ってどうしたいんだ?」
「ミナホ国の食材が欲しいんです。ええと、その……こ、皇妃様のおっしゃってたお菓子、たぶん作れると思うので! 作らせてください!」
たった一度のお茶会であったけれど、皇妃が優しい人であるのはヴィオラにもよくわかった。
『咲綾』の母親は、店を切り盛りしているだけあって、もっとちゃきちゃきした女性であんなはかない雰囲気ではなかったけれど、母の面影というか母性というか。そんなものを皇妃に感じてしまったのは否定できない。
「君は、母上が言っていた菓子がなんだったかわかるか?」
「たぶん。豆のクリームというのは、小豆という豆で作った餡のことだと思うんですけど、それを使ったお菓子なら作れます」
たぶん、アデリナ皇妃が食べた思い出の味というのは、どら焼きで間違いないと思う。もうひとつがあんころ餅なのかあん団子なのか、また別のものなのかは、もう少し詳しく聞いてみなければならない。
「材料さえあれば作れるのか?」
「まったく同じものは無理だと思いますが、似たようなものは。パンケーキの生地にちょっと工夫する必要はあると思うんですけど……」
そうか、とリヒャルトが腕を組んで考え込む。たぶん、ヴィオラを外に連れ出すことで、どんな影響があるのか考えているんだと思う。
「ミナホ国の大使を呼んでもいいのですが、まだ正式に国交を結ぶと決まってないので、今、こちらから接触するのはよくないと思うんです。ヴィオラ姫は、まだ都の中は見てないじゃないですか。ついでに、街中の観光もできればいいと思うんです」
皇宮に来た時にヴィオラは意識を失っていて、そのまま皇宮内の部屋まで運び込まれてしまった。
そんな事情で、皇宮の中は知っていても、都までは見る機会がなかったのである。
「ミナホ国の食材が欲しいんです。ええと、その……こ、皇妃様のおっしゃってたお菓子、たぶん作れると思うので! 作らせてください!」
たった一度のお茶会であったけれど、皇妃が優しい人であるのはヴィオラにもよくわかった。
『咲綾』の母親は、店を切り盛りしているだけあって、もっとちゃきちゃきした女性であんなはかない雰囲気ではなかったけれど、母の面影というか母性というか。そんなものを皇妃に感じてしまったのは否定できない。
「君は、母上が言っていた菓子がなんだったかわかるか?」
「たぶん。豆のクリームというのは、小豆という豆で作った餡のことだと思うんですけど、それを使ったお菓子なら作れます」
たぶん、アデリナ皇妃が食べた思い出の味というのは、どら焼きで間違いないと思う。もうひとつがあんころ餅なのかあん団子なのか、また別のものなのかは、もう少し詳しく聞いてみなければならない。
「材料さえあれば作れるのか?」
「まったく同じものは無理だと思いますが、似たようなものは。パンケーキの生地にちょっと工夫する必要はあると思うんですけど……」
そうか、とリヒャルトが腕を組んで考え込む。たぶん、ヴィオラを外に連れ出すことで、どんな影響があるのか考えているんだと思う。
「ミナホ国の大使を呼んでもいいのですが、まだ正式に国交を結ぶと決まってないので、今、こちらから接触するのはよくないと思うんです。ヴィオラ姫は、まだ都の中は見てないじゃないですか。ついでに、街中の観光もできればいいと思うんです」
皇宮に来た時にヴィオラは意識を失っていて、そのまま皇宮内の部屋まで運び込まれてしまった。
そんな事情で、皇宮の中は知っていても、都までは見る機会がなかったのである。