転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 それから、サファイアをイメージして作られたらしい青いガラスのついたブローチ、エメラルドの緑、ルビーの赤……どのブローチも素敵だ。

 ガラスのビーズを繋いで作ったブレスレットや、ネックレス。どれもきらめいていて、店の中が眩しいくらいだ。

「今日は、これを買います! あとこっちも。別々に包んでもらっていいですか」

 瞳の色と同じ緑のガラスを使ったものは自分に、それから赤いガラスを使ったものはニイファへのお土産だ。

 それからニイファへのお土産に、チュロスに似た揚げ菓子も買って、城へと戻った。

 ◇ ◇ ◇

 翌日、朝食の支度が終わった頃合いを見計らって、ヴィオラは厨房の端を借りた。厨房には、いい香りが立ち込めている。

「なんですか、その茶色の豆は……」

「うん、小豆っていうの。これで皇妃様の好きなお菓子を作ろうと思って……間違ってなければいいんだけど」

 小豆を炊いている香りは、ニイファには馴染みがないみたいだ。鼻をひくひくさせているけれど、鍋の中を覗き込んでいる彼女はしかめっ面だ。

(クリームって言ってたからこし餡だと思うんだけど……)

 柔らかくなった小豆を、目の細かいざるに移して皮をこす。それから水にさらして上澄み液を捨てる工程を何度か繰り返し、最後に硬く絞ったものを鍋に入れた。

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