どこかで夏が、笑っていた
その後の帰り道、私はいままでとはちがってひとりぼっちだった。3人で仲良く帰った日々は、もう、ない。
ひとりの私をさらに貶めるように、彼岸花が群がって咲いていた。花言葉は悲しい思い出。いい意味じゃない。特にその時は。
「……」
花言葉とは反対に、悲しいという想いがすんと消えていった。自覚ができていない。また、明日には……。また、また……!
悲しくないのに、虚しい。苦しくないのに、悔しい。ぼたぼた涙がこぼれる。
嗚咽をかみ殺すことなく、しずくを拭うことなく、ただ前を向いて歩く。