どこかで夏が、笑っていた







「なぁ、俺、ふられちゃった」



ラムネを飲み終え、千穂は今日来ないのかなと、3人で話していた時だった。



突然。ほんとに突然、弦が言うから。



「……そぉ、なんだ。千穂に、だよね」



他人事みたいで、おかしくなった。



弦が、なんとも言わないから……さらに、他人事。私たちに血縁関係はない。だから、こんなに距離があるようにみえるの?



それとも……。



「弦、千穂のこと好きだったんだね」



蒼士が、ぽつりと。



「ごめんね、私、実は気づいてたんだ」



私は、はっきりと。



「……そっか。気ぃつかわせてたかもな……ありがとう」



なんでそこまで、優しいの。



「……知ってた、から……苦しかった、よ……」



涙が、たまる。



透明なしずくと、言葉と。まるで落し物をしたみたいに、ぽとりとこぼれた。



「俺が、告白して、そのせいで……千穂がきにくくなったんだと思う」
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