わたしのいじわる王子さま
わたしのいじわる王子さま
「やっば……」
ない。机の中も、カバンの中も、ロッカーの中も……。
どこを探しても見当たらない。
最悪だ。
───現文の教科書、忘れてきた。
窓の外は快晴。
雲ひとつない澄んだ青空に、ポカポカのおひさまが陽気に辺りを照らしている。
そんな中、朝からツイてないと肩を落としている私、佐野春奈は、どこにでもいる極々普通の高校2年生だ。
これと言って得意なこともなければ、これと言って打ち込んでいる趣味もない。成績は中の上、運動神経は中の中。
ルックスも、まさに可もなく不可もなくと言ったところで。
仲の良い友達に言わせれば『見てるうちに、味が出てくる顔』らしい。
何その、噛めば噛むほど味が出る……みたいなキャッチフレーズ!全く嬉しくない。
褒められている気が1mmもしないのは、褒めてないからなんだろうけど。
おまけに言えば生まれてこの方、1度も彼氏なんてものはいたことがない。
人並みに好きな人だっていたし、バレンタインデーには憧れの先輩にチョコを渡したことだってある。
だけどいつも、気持ちを伝えることすら出来ないまま、淡い恋心は儚く散ってきたのだ。
でも、そろそろだと思うんだよね。
ほら、よくある『18歳の誕生日に白馬の王子様が迎えに来てくれる』って言うやつ。
ない。机の中も、カバンの中も、ロッカーの中も……。
どこを探しても見当たらない。
最悪だ。
───現文の教科書、忘れてきた。
窓の外は快晴。
雲ひとつない澄んだ青空に、ポカポカのおひさまが陽気に辺りを照らしている。
そんな中、朝からツイてないと肩を落としている私、佐野春奈は、どこにでもいる極々普通の高校2年生だ。
これと言って得意なこともなければ、これと言って打ち込んでいる趣味もない。成績は中の上、運動神経は中の中。
ルックスも、まさに可もなく不可もなくと言ったところで。
仲の良い友達に言わせれば『見てるうちに、味が出てくる顔』らしい。
何その、噛めば噛むほど味が出る……みたいなキャッチフレーズ!全く嬉しくない。
褒められている気が1mmもしないのは、褒めてないからなんだろうけど。
おまけに言えば生まれてこの方、1度も彼氏なんてものはいたことがない。
人並みに好きな人だっていたし、バレンタインデーには憧れの先輩にチョコを渡したことだってある。
だけどいつも、気持ちを伝えることすら出来ないまま、淡い恋心は儚く散ってきたのだ。
でも、そろそろだと思うんだよね。
ほら、よくある『18歳の誕生日に白馬の王子様が迎えに来てくれる』って言うやつ。
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