秀才男子は恋が苦手。




断言した俺に怪訝そうな顔の千葉。


「何で言い切れるんだよ?」


「当たり前だ。俺と衛藤はつい一ヶ月前までロクに話したことすらなかったんだぞ?」


「関わった時間なんて関係ねーよ。
なんだって俺は、夏海に出会って5秒で恋に落ちたんだぞ!?」



そうドヤ顔で言う千葉だが、俺とお前を一緒にしないで欲しい。


付き合う前、現在の彼女である本田夏海の一挙一動に激しく一喜一憂し、付き合ってからは毎日鼻の下を伸ばしっぱなしでだらしがない。


そんなものを、この俺が衛藤にしているだと?
ありえないな。俺は千葉と違って、そんな簡単に人を好きになるタイプではないんだ。



「もういいか?俺、図書室行きたいんだけど」



教室を出た俺を追いかけてくる千葉の声。




「おい筒井!お前勉強以外のことはすっげーバカだな!!」



幼なじみに好かれる為だけに必死で勉強してきたお前だけには言われたくないな。




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