秀才男子は恋が苦手。
きょとん、とした顔をする千葉。
「そうだけど?今更何言ってんだよ〜」
“仲良いんだな”
“まぁ幼なじみだからね!”
…思い出されるのは昨日衛藤とした会話。
「…やっぱり特別なわけ?幼なじみって」
「そりゃーそうだろ!俺と夏海は特に別格だとしても、一般的にもそーだと思うぜ?
なんせ小さい頃からずっと一緒にいるわけだからな!」
………ほう。
千葉が俺の顔を見て面食らったように目を見開く。
「って、何でそんな怖い顔してんだよ」
…は?
「…別に怖い顔など」
「してるって!あっ、まさか俺と夏海の熱いカンケイ♡が羨ましいのか?コノコノォ〜」
…うざすぎる千葉はひとまず置いといて。
俺は右手で自分の顔を触ってみる。
心なしか頰が強張っている気も……別に、気のせいだよな。