秀才男子は恋が苦手。
「あー!そっかそっか!筒井くんって、亜衣と同じ1組か!」
何かに納得したらしく、ポン、一休さんのように手を打つという古い仕草をする伊東。
「……だから何だよ」
「あれ、聞いてない?今日深田先生が体調不良で休みだから、1組と6組で合同授業だってさ!」
深田先生というのは、6組を担当している体育教師だ。
こいつと合同授業って…
「あれっ伊東じゃん?」
その時、俺の背後から千葉がやってきた。
「おー千葉!?久しぶりだなー!」
「だな!弓道部忙しそうじゃん?」
「ま、さすがにもう引退したけどなー!」
そして俺そっちのけで親し気に会話を始める二人。知り合いだったのか、コイツら。
「あ、俺と伊東、同中なんだよ実は」
怪訝そうな顔する俺に気付いたらしい。千葉がそんな補足を入れてきた。
「しかも俺と同じバスケ部だったんだぜー!」
だからか!!
俺は千葉と伊東が似ていると思ったのはやはり間違いではなかったのだと確信した。
「あれっ、敦どうしたの?」
不意に割り込んできた高い声。
…衛藤。