秀才男子は恋が苦手。
それからの千葉の反撃は凄まじかった。迫り来る相手を華麗にかわし、いとも鮮やかにシュートを決めていく。
千葉のするバスケはなぜか凄く簡単そうに見えて、そして楽しそうだった。
千葉のバスケ姿は見たことがなかったが、どうやら凄い奴だったようだ。
第1ピリオドでつけられていた大差はいとも簡単にひっくり返った。
「ふー、体育ごときで本気を出すつもりはなかったが、ちょっとカッコよすぎたな…」
第2ピリオドが終わり、自分に酔っている千葉。このままいけば、うちのクラスの勝ちだろう。だけど。
「…千葉」
「お?」
コーラをがぶ飲みしていた千葉が振り返る。
「次。俺にパスくれ」
「お?」
「絶対に決めてみせるから」
このまま終わったら、意味ない気がする。