秀才男子は恋が苦手。




それからの千葉の反撃は凄まじかった。迫り来る相手を華麗にかわし、いとも鮮やかにシュートを決めていく。


千葉のするバスケはなぜか凄く簡単そうに見えて、そして楽しそうだった。


千葉のバスケ姿は見たことがなかったが、どうやら凄い奴だったようだ。



第1ピリオドでつけられていた大差はいとも簡単にひっくり返った。



「ふー、体育ごときで本気を出すつもりはなかったが、ちょっとカッコよすぎたな…」


第2ピリオドが終わり、自分に酔っている千葉。このままいけば、うちのクラスの勝ちだろう。だけど。



「…千葉」

「お?」


コーラをがぶ飲みしていた千葉が振り返る。



「次。俺にパスくれ」

「お?」

「絶対に決めてみせるから」



このまま終わったら、意味ない気がする。



< 41 / 107 >

この作品をシェア

pagetop