秀才男子は恋が苦手。
あー、情けない。
俺は誰もいない保健室のベッドで一人寝転んでいた。
黄色いシミがある白い天井。
独特の消毒液の匂い。
授業中の保健室は、学校とは思えないくらい、すごく静かだ。
保健室の先生には軽い捻挫だと言われた。
付き添いできた千葉が「倒れたときの衝撃で頭を打っているかもしれません!先生!!」と大袈裟に訴えたせいで、暫く寝かされることになってしまった。ちなみに千葉は授業へ戻り、先生は会議があるからと出て行った。
あー…本当、何やっているんだ、俺は。
ベッドに寝転んだまま項垂れる俺。
こんな無謀な勝負をして結果はこの有り様。
本当に最近の俺は、何かがおかしい。
何かが―――
「つつるんっ!!」
その時、保健室の扉がガラッと開いて顔を出したのは――衛藤。
衛藤はベッドに寝転ぶ俺を見つけるとまっすぐ駆け寄ってきた。
「大丈夫!?つつるん!?」