秀才男子は恋が苦手。
「いや、えっと、た、単純に俺の家の方が安全だし、金もかからないし色々と…」
「………」
「……も、もちろん嫌なら無理にとは」
「嫌じゃないよ」
衛藤の頬が少し赤くなっていた。
「嫌なわけない。嬉しいよ、つつるんがそんなに私のこと考えてくれてるなんて」
「…そ、か」
「…うん」
「………」
再び沈黙。
だけど、気まずい沈黙じゃない。
「…じゃ、帰るか」
「うん!」
隣同士を特に言葉もなく歩く。
だけどその沈黙が
不思議と、心地よかった。