秀才男子は恋が苦手。
2人、朝の教室で仲良く勉強している姿を想像すると、クラリと目眩がしたような気がした。
…俺、なに自分のした想像で具合悪くなってんだよ。かっこわる。
気を取り直してカバンを肩にかけ直し、俺も教室へと歩みを進める。足が異様に重かった。
教室の前に着き、ふぅ、と呼吸を整える俺。
よし、大丈夫だ。教室を開けた瞬間、2人仲良く勉強している姿が目に飛び込んできても…俺は決して動揺などしない。動揺しないぞ。よし!
尋常ではない気合いを入れ、教室のドアを開けたが、そこには予想に反して2人仲良く勉強する姿などなかった。
もはや、2人とも教室にいない。
…まさか、2人きりで図書室…とか…!?
「つーつるんっ♪」
クラリと再び世界が揺れたのを感じたとき、ドスッと背中から乱暴な衝撃。
「…だからその呼び方やめろ千葉」
どうやら千葉が背後から思い切り俺をどついてきたらしい。
千葉は俺の睨みなどものともせず、
「筒井っ、親友の俺から一生のお願いがあんだけど!!」
パンッと顔の前で勢いよく両手を合わせた。
「今日、放課後筒井の家行きたい♡」
…は?