私だけの場所。
1話
もうすぐ中学卒業を迎える私は進学する高校も決まり、友達に誘われ家にいない親に内緒で夜の街えと足を向けた……
「千夏……お待たせ……ほ、本当に……大丈夫?」
「由美は心配性だなぁ〜大丈夫、大丈夫!初めは緊張するけど、慣れたら楽しいよ?」
なんて、中学1年からの友達の佐藤千夏(さとう ちか)と待ち合わせしていた駅前で合流した私。
「いい?不安そうな顔しちゃダメ。胸張って……大人っぽくしてたら大丈夫だから!ね?それに、私もついてるし……もうすぐ蘭も渚も来るからさぁ〜」
なんて、微笑む千夏に不安がよぎるものの……ちょっとした親への抵抗心もあり不安など直ぐに消える。千夏と話していれば相田蘭(あいだ らん)と坂木渚(さかき なぎさ)が駆け寄ってくる。
「ごっめぇーん!!親にばれかけてさぁー!本屋行ってくる!って出てきた。」
「マジでか!ワシは飯食ってた!!」
「さすが蘭……夕飯食べてたなんてマイペースすぎるっしょ!」
「おぉ?神ちゃんも夜遊びデビュー?」
「おぉ!?珍しくない?大丈夫なの?」
神ちゃんこと神崎由美(かんざき ゆみ)は私の名前。2人がニヤニヤと私を見る中私は苦笑しながらも大丈夫。と3人について歩く。
「え、じゃー。神(かん)ちゃんのデビュー戦ということで、最初はゲーセンにする?」
「ベタァ〜!まっ、最初はそこから?」
なんて、歩く私達……
学校や親には夜遊びはダメ。と厳しく言われ、耳にタコができるほど聞いた言葉……でも、何故かその言葉に抗い友達と夜にあそびまわることに対し、私はどこか楽しい。なんて、心を踊らせていた。
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