私だけの場所。




【今年の梅雨入りは例年より少し早くなるでしょう。】なんて、天気予報士さんが予報した。のはいいが……まさかこんなに早く梅雨入りするとは思わなかった。




「あー。生憎の一泊二日の校外学習に雨というのもなんとも言えないが……今回の校外学習の目的は学年の親睦を深める。のが目標だ。屋根があってもなくても、晴れでも雨でも仲を深める事は出来る。いいか?仲を深めるのは良いがハメを外し過ぎないように。昼は適当に弁当を勝手にグループ作って食え。んで、夕飯はしおりにも書いてあるが6時だ。その20分前から食事係は1階の調理室に集合だからな!あと、班長会議があることを忘れるなよ?あとはしおり通りのながれだから、時間としおりは見ておくように!じゃあ、解散。」





なんて、学年主任の先生の言葉と共にそれぞれが動き出すなか、私は千夏とその場にたっていた。




「雨じゃん……」



「だね。まさかこんなに早く梅雨入りするとわ考えなかったねぇ……この雨で、スタンプラリーとか三つの体験コースも中止になったし……雨だから皆することなくて各自部屋に戻る人の方が多いよね……」



なんて、周りを見て苦笑しながらも話してれば永松さんが歩いてくる。




「そうでも無いだよ?さっき、渡辺先生とほかのクラスの女子が話してるのが聞こえてきたんだけど、この辺雨だから見れる光景とかあるらしくって、その話を聞いた人や、ほら、あの地域のパンフレット……あれを見た人はその光景を見に行こうって外に出ていく人もいるよ。」



そう言って、この施設に置いてあるパンフレットを指さして教えてくれる永松さんに、私達もそのパンフレットを手に中を見る。




「結構あるね……雨の日の観光地。」



「当たり前だけど、この辺だし……近いよね。」



「そうだね……あ、よかったら、神崎さん、佐藤さん。一緒に見に行かない?」




永松さんがパンフレットから、私達の顔に視線を移して聞いてくる。一瞬返事するのにワンテンポ遅れる。それに気づいた永松さんが無理に。じゃないけど……と言う。それに、私達は慌てて手を振る。




「違うんだよ!永松さん!!私達嫌で返事返すの遅くなったわけじゃないの!!」



「そそそそうだよ!!嫌で遅くなったんじゃないよ!ただ、私も由美も苗字で呼ばれるの久しぶりだからさ……」



「返事に迷っただけで……」



「「深い意味は無いからね!!絶対ないからね!名前で呼んで欲しいなんて思ってるけど、気にしなくていいからね!!」」




なんて、叫ぶ私達に永松さんはキョトンとしていた。




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