私だけの場所。
卒業まであと一週間。そんな時期になる……
クラスではどこかしんみりとした空気か漂う中……私と千夏は今日の夜の予定を立てていた。
本当はダメ。それをわかった上で決まりを破り小さな抵抗をし続ける私は、千夏と夜にあそびまわるのが当たり前のように思い始めていた。
今日も同じ時間に待ち合わせね!と約束して……時間まで宿題やらご飯を食べて過ごしていればあっという間に待ち合わせの時間が近づいてて……家から出ようと靴をはこうとしたら珍しく母親が帰ってきて、出かける準備をしている私を見て驚いた顔をした
「どこ行くの?もう夜よ?」
「……千夏と遊ぶの……」
「こんな時間に?」
「……ほっといてよ。母さんに関係ある?たまに帰ってきたと思ったら説教?」
「由美?何を」
私の腕をつかみ口を開くお母さんの手を振り払う。
「帰ってきたと思ったら、説教……辞めてよ。母親ズラしないで!」
そう言って呼び止める声を無視して私は家を飛び出し千夏と待ち合わせの場所まで走った……
待ち合わせ場所で千夏と合流して、二人で街を歩いてたら人だかりが目に入る。それを千夏と近づいて見てみたら、人だかりの中心に赤髪の男性が数人の男を殴り倒していた。
それを見た千夏が、間宮さんだ。と呟いたのが聞こえた。何それ?と聞いてみれば、この辺で有名な人……と答える。その人を暫く眺めて、人がはけていくのと一緒に私達もその場から離れる。
でも、その後も、数日たってもその人のことを忘れることが出来なかった。