私だけの場所。
結局、先生は千夏がくる少し前に私に鍵を渡して教室から出ていった。その数分後に千夏が戻ってきて、窓をしめ教室の戸締りをして職員室によって帰った。
家に帰ればいつものように間宮さんはリビングでテレビを見ていた。驚かそうとソッと背後に近づけば何やらスマホを見ているみたいで……そっと覗き込めば画面に映る綺麗な女性。
「っ……」
私の存在に気づいたのかスマホを切って振り返る……そして、何事も無かったかのように私を見て微笑み、おかえり。と言って抱きしめる。
私は弱いから……さっきの画面の女性のことを聞けなかった。
そして、夕飯の時。誘われたキャンプのことを話した。そしたら、楽しんでこい。と言ってくれた。私は微笑みお土産買えたら買ってくるね!!とお風呂に行く間宮さんを見送りながらも食器を洗う。
そして、間宮さんと入れ違いにお風呂に入りおやすみと言って部屋に戻る……スマホを見れば千夏から電話がかかっていたみたいで、かけ直す。ワンコールで出た千夏に苦笑した。
【キャンプの事言った?】
「言ったよ、千夏は?」
【言ったよ!そしたら、「彼氏ほっとくの?」なんて言われてさぁ〜。キュンとした!由美は?間宮さんのことだから「行くな」って?きゃーー!!愛されてる!!】
「…………そうそう。そんな感じかな……あ、じゃあ、千夏は行かない?」
【どうしよっかなぁー。由美は?】
「……………」
【由美?もしもーし。】
千夏と赤羽さんの仲はいいと思う。恋人と言っても色んな形があると思ってる。男と女の友情もあると思う……けど、間宮さん1日だと言っても、友達だと言っても……立花くんは男の人だよ?彼女が千夏と一緒かも。だと言っても赤羽さんみたいに、止めて欲しかった。な……
【由美?寝たの?まさかの寝落ち電話?】
なんて聞こえてくる千夏の声に笑いながらも
「ごめんごめん。私は行くよ?」
【まじかぁー。間宮さんいいくるめたんだね!!なら、私もついてく!!拓真言いくるめて来るね!!おやすみ!】
「おやす………最後まできけや。」
なんて、プープープーと聞こえてくる音を聞きながらも電話を切ってベットに寝転んだ。