私だけの場所。
「蘭、渚、学校が違ってもたまに遊ぼうね!!」
「おうよ!千夏、神ちゃんのこと頼んだよ。」
「任せといて。」
なんて、卒業式のあと教室で記念写真を撮る私達は抱きしめあって蘭と渚に卒業後も仲良しでいようね!と話す。千夏とは同じ学校なのでそんなに寂しくはない。
「そうだ、卒業おめでとさん会でもする?」
と、渚の言葉に私達は頷きいつもの場所でね!と約束してそれぞれ家に帰える。
家に帰って部屋に戻ろうとすれば珍しく家にいたお母さんに呼び止められ、リビングに呼ばれる。
「なに。」
「由美……夜にどこに行ってるの?」
「千夏家。」
「毎日、毎日夜中まで?千夏ちゃんのご両親に迷惑じゃない?」
「………なに?家に帰ってきたかと思えばまた、説教?説教するために帰ってくるんなら帰って来なくてもいいよ。いちいち説教なんて聞きたくないし、アンタも嫌でしょ?私の顔みんの。帰ってこないのは外で男作ってっ!?」
リビングに乾いた音が響いた。じわじわと頬が暑くなり、痛みを感じる……驚いて母さんを見れば怒った顔で私を見ていて……
「いい加減にしなさいっ!!」
と、怒鳴られた……
そんなお母さんを見ながらも、何をいい加減にしなさいなの?と、思ってしまったらカッ!と頭に血がのぼり……気づけば……
「なによ!!親ズラしないでよ!!母さん、私の事なんてどーでもいいんでしょ!!だから、帰ってこないんでしょ!?私がいるから帰ってこないんだったら出ていく!!こんな家出ていく!!」
「由美っ!!」
リビングのドアを乱暴に開けて制服から普段着に着替えてお父さんに作って貰ってた通帳をカバンに突っ込み家を飛び出し、すっごく早いけど待ち合わせ場所まで向かった。