私だけの場所。
線香花火、結局生き残ったのは双子ちゃんで、喜んでる双子ちゃんを暖かくみまもっていたら千夏は子供可愛い。と何故かしみじみと呟きながらも顔をほころばせていた。
「いま、並んで歩く赤羽さんと千夏の間に小さい子供がいる妄想してたでしょ?」
「っ……」
いつもの様にからかえば反撃してくる千夏を想像したが……驚くことに千夏は顔を曇らせた。それに、首をかしげどうしたの。と聞けば少しちゅうちょする千夏。首をかしげていれば千夏は口を開きかけるが……
「千夏姉ちゃん!由美姉ちゃん!!一緒に寝よー!」
「千夏姉ちゃんは紅亜の隣ね!」
と、双子ちゃんが私たちに駆け寄ってくる。千夏の開きかかっていた口は閉じられ、くもっていた千夏の顔は笑顔に戻っていて、私は少し心配になりながらも双子ちゃんに連れられテントに入った。
最初は私たちと寝ると言ってた双子ちゃんだったが、途中からお母さんが恋しくなったのか、泣きそうな顔をしていたので千夏が見送る中、楓さんの所に連れていき、テントに戻れば話し声が聞こえてくる。
きっと電話だろう。赤羽さんが心配して千夏に電話かけてきたのかな?なんて、ニヤニヤしていたが……どうやらそんな甘い雰囲気じゃなさそうな会話をしているのが聞こえる。
千夏も小さい声で話してるからはっきり聞こえるわけじゃない。けど、赤羽さんと千夏の恋人の会話じゃなくて……その電話の会話的に私と間宮さんの名前が出てくる。そして、何故か先生と立花くんの名前も……
何故かその会話を聞きたくなくて、テントから離れようとすればたまたまテントからでてきた立花くんと目が合った。
「佐藤は恋人と電話中?」
なんて聞いてくる立花くんにためらいながらも頷けば少し考えてから私を手招きして歩き出す。そんな立花くんを追いかけ歩いた。