私だけの場所。
4話
夏休みも終わり、早くも10月。
文化祭と学校は騒ぎ出し高校初めての文化祭に浮かれ始める1年生。
「はい。二学期、2日連続で文化祭を行います。このクラスはなんの出し物をするか。決めたいと思います。」
なんて、二学期になり新しくなった文化委員達が前に出て話すのを眺める。
「えー。文化祭はクラスの出し物はもちろんのこと、体育館では自由参加のライブも開かれるとのこと………」
なんて、書類を見ながら説明する文化委員達に千夏が振り向き文化祭だって。と嬉しそうに話しかけてくる。
「文化祭かー。中学の時と違って色んな出し物とかできるから楽しみだよね。」
「あれでしょ?ここは定番のコスプレ喫茶とかー、お化け屋敷とか?由美は何したい?」
「私は……お化け屋敷は嫌だな……」
「でた!由美怖がりだもんね〜」
なんて会話していたら、いつの間にか私たちのところにパイプ椅子を置いて座ってる先生が目に入る。
二学期に入り、席替えをしたクラスに、何故か大輝くん、私、千夏の順で窓際の横3列に並んで座っている。だから、千夏も授業を真面目に受けるしかなくて……先生によく注意されてる。
「先生は職員で出し物もかするんですか?」
「あ?あー。体育の今川先生は学年主任の佐原先生とライブに出るらしいぞ」
「え、あの、佐原先生が?今川先生なら、イケメンだし女子にも男子にも人気があるけど……佐原先生、学年主任でありながら英語の先生でおじいちゃん的年齢だから落語ばっか聞いてそうなイメージのあの、佐原先生が、ライブ!?」
「おい、佐藤……それは佐原先生に失礼だぞ。」
「いやいや、だって、思うでしょ?」
「いや、思うけど。佐藤……お前それ本人に聞かれたら長々と昔話聞かされるぞ、」
なんて、顔を伏せていた大輝くんが顔を上げて話に入ってくる。それにいきなりはいってくんな。と喧嘩する千夏をよそに先生はなにかしないんですか?と聞けば先生は苦笑する。
「俺は……高校の学園祭でやらかしちゃったからな……同じようにならないために何もしない。」
「やらかしたって何をですか?」
「……まぁ、いろいろ?」
「気になるんで暴露してくださいよ。」
「はぁ?出来るわけないだろ?」
なんて、少し怒った感じで私を見る先生に微笑み、大輝くんの方を見れば、先生は慌て出す。
「やめ、やめろ、神崎!!」
「……ふふ、ねぇ、大輝くん、先生と楓さんて親戚で幼なじみだったんでしょ?なら、先生が文化祭でやらかした話聞いたことない?」
なんて、聞けば大輝くんは、私と先生をみくらべてニヤリと笑い……話し出す。
その内容は、今も昔もイケメンで女子に人気があった先生がライブをして学園祭がライブ会場化した事。らしい。
「別に恥ずかしがる話じゃないじゃん。ね?千夏?」
なんて、千夏に言えばいつもすぐに反応がある千夏が静かで不思議に思い顔を覗き込めば驚いた顔をしながらも聞いてなかったと謝る。
「佐藤、お前にしたら珍しいじゃないか、頭でもぶつけたか?」
なんて笑う先生に千夏はいつものように先生に絡んでいく。それを見ながらもキャンプ後から少し様子が変な千夏に心配になった。