私だけの場所。




学校はいよいよ文化祭の準備に踏み込んだ。私たちのクラスはフランクとホットドッグを出すことになり看板とかを作っている。




看板の組み立ては男子に任せて女子はイラストを考えている。あーでもないこーでもないとイラストにこだわる(まぁまぁ)クラスの中心人物の女子。(ホントできる)中心人物女子は我関係なしという感じで話してる。まぁ、その方が楽だ。




私と千夏はそんな皆を壁にもたれて眺めている。
いるでしょ?クラスに一人は一匹狼的な関わんないで。って感じの女子。そんな感じで眺めている。




「うざいよね、ここぞとばかりに出しゃばる女。」



「こらこら、千夏ちゃん?お口悪いですよ?」



なんて、見ていたらこれまた居るよね?クラスに1人は。の正義感強いひと。が(ホントできる)中心人物女子に声をかける。




「ねぇ!道端さん達も考えてよ!!」





なんて、言う相良さんにほかの女子は迷惑そうに相良さんを見ている。




「あーぁ。ちょっと空気読めよってね。」



「ほんとうるさいよ。縫うよその口」




隣で呟いた千夏に呟いた私。それを聞いて千夏が私を見るが私は相良さん達をながめる。




「ねぇ、相良さん。回りみなよー。私たちがあれこれ口出すより、私たちが黙って言われたことをした方が周りのみんなも気が楽なんじゃないかなぁー?」



「そんなはずない。みんなで協力してやった方がいいはず!ほらほら、千夏ちゃんも由美ちゃんも!!」




なんて、私たちにも声をかける相良さんに千夏がおもむろに舌打ちする。




「千夏……」



「だって、今日初めて話すやつに名前呼びでちゃん付けだよ?ありえなく無い?」




なんて、不機嫌な千夏に苦笑しながらも私は相良さんに微笑む。




「そうだよね。みんなで決めた方が早いよね。看板も出来上がったし?もう、ぶっちゃけ本番でいい?ほら、相良さん。絵かくのうまかったよね!なら、書いてよ!相良さんに任せるからさ」





なんて言えば地味に嬉しそうにする彼女。



そう、正義感が強い彼女は(まぁまぁ)中心人物女子で、あーでもないこーでもない。と話をグダグダさせていた。



それを見て空気を悪くしないようにと(ほんとできる)中心人物女子達が身を引いたのにも関わら、話をややこしくさせようとしたのも、女子達が迷惑そうに見ていたのも




自分が決めたイラストを描きたいがためにごねていた相良さんへの視線なのだ。




そして、そろそろ彼女の茶番に飽き飽きしながらも誰も彼女に(言いたくない)言わない言葉を私が言ったことにより問題は解決した。





ように見えたが……




「でも……みんなで決めた方がー」





なんて、言い出した相良さんにみんなが呆れた視線を向ける。男子は男子でこっちを呆れたように見ている。





「わかった、相良さんが嫌なら大輝君に任せるけど?」




みんないい?って聞けばみんな頷く……ここで名前が出るとは思ってなかった大輝君が私を睨んでいるが……正直今はこわくない。




「でも、でも」




まだ言うか。なんて、聞こえてきそうなクラスの雰囲気に私はにこりと微笑んだ




「お腹減ったの。帰りたいの。今何時かわかる?文化祭準備の時は学校昼までなの。居残りするクラスは事前に弁当持参ね。確かに、イラストは大事なのはわかる。けど、イラスト如きにこんだけの時間いる?正直いらないよね?描きたいならかけよ。描きたくないなら話ややこしくするな。こんだけ時間かかるなら昨日の内に弁当もってこいって言えよ。言ってることわかる?私の言いたいことわかる?帰っていい?お腹減ったの。ってか、帰る。」




「え、あ、ちょ、由美ちゃん!!まってよ」



なんて、呆然とするクラスの皆を背に、カバンを手についてくる千夏と教室から出ようとした私を呼び止める相良さん。私は振り返って





「さようなら、【相良】さん。」




と、笑みの圧をかけて名前で呼ばないで。と微笑み教室から出た。




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