私だけの場所。
何故かひとり興奮してる千夏を横目に何を食べるか悩む私……そんな私達に近寄ってくる足音。振り返れば大輝くんと幸恵ちゃん。
「どうしたのそんな慌てて。」
「いや、お昼一緒に食べないかなぁーって。」
「俺も。」
「なんだなんだ?由美さんの覚醒に惚れたのかね?」
「覚醒ってなによ。」
なんて、一緒にどこかによる事を決めて靴箱まで歩く。
「どしどしとガキ大将が子分を連れて歩いてるから誰かと思えばお前らか。まだ残ってたのか?」
「え、先生ガキ大将ってだれ?」
「佐藤……そんなの、お腹減ったの。って2回も言った神崎しか居ないだろ?」
なんて、笑う先生に私は顔を伏せる。今更だが……なんて言葉でたんかきったの!!なんて、数分前の自分を攻める。帰りたい理由がお腹減ったからって……
「あ、そうそう、お腹減ってる神崎にこれやる」
そう言って渡されたのは学校近くのファミレスの割引券。それを見た千夏がいいなぁーとつぶやく。それを聞いた先生が苦笑しながらも人数分の割引券をポケットから取り出す。
「おまえら、秘密だぞ。」
「いやいや、ポケットから取り出せるとか……先生の食生活が心配なんですけど?」
「あ?や、違うぞ神崎。俺はちゃんと自炊してるからな?ほら、これだってスーパーの割引券とかふ、福引券だって!!」
「いや、逆に主夫かよ。イクメンパパ見たいな?」
「あー。うん。先生は一生1人でいいです。はい。」
なんて、会話していたが……気がつけば三人が無言で私たちを眺めていた。
「どうしたの?」
「え、や、由美ちゃん、先生と仲いいなぁーって。」
「うんうん、いつの間に?って感じだよね。先生、私の由美なんだから取らんでよ?」
「あー。ね。」
大輝君は苦笑しているが幸恵ちゃんと千夏は食いついてくる。それを苦笑しながらも割引券を手にそろそろ行くかー。と先生にサヨナラを言って歩き出せば3人はついてくる。
千夏と幸恵ちゃんはしつこく聞いてくるが私は大輝君と何かを食べるか相談しながらもファミレスに向かったのだった。