私だけの場所。
午後になり、午前組は自由の身となる。
「どこからまわる?」
「千夏は、どこからがいいの?」
「んー。由美に任せる!」
「……なら、保健室で健康の講演会でも聞く?」
「よぉーし!まずは3年の教室から!!」
なんて、私に選択を選ばせる千夏に保健室で開かれている講演会の話をもちかければ、行きたくないのか、私の腕を掴み歩き始める千夏。それに苦笑しながらも人をかき分けて半分を制覇するかしないかのところで終了を告げるアナウンスが聞こえてくる。
「あー!もう、あと少しだったのに!」
「明日もあるんだから。ね?」
「何言ってんの?明日は自由ライブに参加するんだよ!!」
「は?」
いきなり何を言うのかと千夏を見れば千夏の目は本気で……何故か意気込んでいるのがわかる。
「神崎由美よ!!君は知っているかい?自由ライブに隠された秘宝を!!」
「はぁ?」
「自由ライブに隠された秘宝とは……」
なんて、ために溜める千夏に早くいえ。と微笑めば千夏は仕方ないなぁーなんて、口を開きかけるが……
「なんだ神崎、知らないのか?我が校では自由ライブに参加した我が校の生徒だけに与えられる【お食事券】のことを。」
「先生!?なんでとんの!?私のセリフ取らないでよ!!ために溜めて由美をドキドキさせようとしたのに。」
「そうだよ、全くドキドキしなかったけど、その作戦に引っかかったように見せかけてたのに!!」
「なにそれ!!酷いっ!!」
なんて、私達に謝りながらも食事券のことを説明してくれる。
「食事券とはな、我が校の生徒が参加して、人気投票されて、見事1位に輝いたグループやおひとり様にお食事券が渡されるんだ。」
「なるほど、それが狙いか。」
「あたぼーよ!いつか言った!女子高生はってやつ。」
「なにそれ、覚えてない。」
「ふむ。まぁーいい。何としてでも勝ち取るのよ!!勝利は我らの手の中に!!」
なんて燃える千夏に苦笑しながらも先生はまぁ、頑張れよ。と私たちの方を叩き去っていく。それを見送りながらも意気込んでいる千夏を引きずって教室に戻ったのだった。