私だけの場所。




駅前のライトアップされた噴水に背を向けて置いてあるベンチに座りボロボロと涙を流す私を行き交う人達がジロジロと見ながらも歩きさる。それを見ながらも鼻をすすってれば隣から声をかけられる。




「なんで泣いてんの。」



「へ?」



驚いて隣を見れば銀髪の男性がベンチに座っていた。



「なんで泣いてんの?」



なんて、また聞かれ。私は顔を伏せる。何か言った方がいいかもしれない。なんて思いながらも口から出るのは空気だけで……どうしようもなく流れる涙を拭うことなく黙っていれば、向こうから千夏が歩いてくるのが見えた。



「あれ、あんたの友達だろ?」


「え?」



なんで知ってるのか聞いたら、銀髪の男性を見れば彼は前を見たまま、この前見かけたから。と返事する。



「こんな時間に女二人で歩いてると危ないぞ」



「…………」



「はぁ……俺には関係ねぇーけど?んじゃな。」



なんて、私に微笑んで頭を撫でて去っていく。何がしたかったのか、なぜ声をかけてきたのか……結局何が話したかったのか分からないまま彼が去るのをただ眺めていた……いつの間にか涙は止まっていて……目が赤い私を心配した千夏がすっごく心配していたが大丈夫。と答えて蘭と渚を待った。



暫くしてふたりと合流し、街を歩いてればあの時の赤髪の人がたくさんの人を連れて歩いているのが見えた。蘭も渚も知っているみたいで、千夏と周りの女性みたいにキャーキャー叫び始める。




そんな3人を眺めていれば赤髪の人と目が合った気がして……そうかと思えば、赤髪の人がこっちに向かって歩いてくる……



サッと左右に別れるキャーワー騒いでいた女性や男性達に私達も左右に別れようとしたが……明らかに私たち4人に近づいてきてることがわかった……




「ち、千夏……なんか、こっち来てるよ……」


「や、やばいよ!私ら明日の朝日、見れるかな……」



なんて、蘭と渚が遠い目し始めるのを見ながらも私も千夏の背に隠れようとしたが……隠れようとした私の腕を赤髪の人が掴む。




ザワっとした周りに気にすることなく赤髪の男性は私を見て




【俺の女になれ。】




と、言ったのだった……




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