私だけの場所。
5話
先生に相談してから2週間。学校でも、間宮さんの家でも千夏とは顔を合わせることなく2週間がたった。
そんな今日……2週間と二日がたとう頃に間宮さんと一緒に出かけることになった。いや、性格には赤羽さんと千夏も一緒に。
「おい、拓真……どうにかしろ。」
「いやいや、どうにか出来るわけないだろ?」
なんて、助手席に座る間宮さんと運転席に座る赤羽さんがコソコソと私達のことを話してるが、後部座席に並んで座る私達に一切会話がない。
「ち、千夏ちゃん?由美ちゃんと喧嘩でもした?」
なんて言う赤羽さんを殴る間宮さん。
「おま、馬鹿だろ。それに、触れんな。」
「じゃあ、お前がやれよ。」
「………おい、何が食いたい?」
「千夏が好きな肉で」
「由美が好きな魚で」
「………」
「じゃあ、私が好きな魚で」
「じゃあ、私が好きな肉で」
「………」
「もうどっちでもいい」
「どっちでも。」
なんて、きまづい空気が流れ溜息をつく、前に座る2人。
「ねぇ、千夏……私何かした?したなら言ってよ。謝るから。」
「別に、由美が謝ることないんじゃない。別に何もしてないし。」
「じゃあ、なんで怒ってんの?」
「別に?怒ってないし。」
「……怒ってるよ。」
なんて、千夏を見てれば千夏は私をちらっと見てから、窓の外を眺め、ため息をつく。
「怒ってなんかないよ。アンタになんか怒ってない。お願い、頼むから……今はそっとしておいて。」
「………」
千夏の言葉に私は何も言い返せなくって……私も千夏と同じように窓の外を眺めた。