私だけの場所。




あの後ただ重苦しい空気の中、間宮さん達に申し訳なく思いながらも魚とお肉を食べれるお店に来てお昼ごはんを食べた。そして、家に帰る。





テレビを見てる間宮さんの邪魔にならないように私は少し離れたソファーの隅に座って本を読む。




「なぁ」



「なに?」



「由美の担任て誰だっけ?」



「え?どうしたのいきなり。」



「いーから。だれ?」




なんて、突然聞いてくる間宮さんに不思議に思いながらも先生の名前をいえば何故か楽しそうにクククと笑う。そうかと思えば、私と間宮さんのあいだを詰めてくる。





「俺には昔、愛した女がいた……」




なんて、呟く間宮さん。それを見ていれば間宮さんが私を見て頬に手を当てる……その手の感覚が何故か嫌で手から逃げようとしたが……間宮さんと目が合って思考が止まってしまった。




「俺はお前を愛してる……」




ゾクゾクと背中が震える……




「結婚しよう……り」




間宮さんの言葉を遮るように私の携帯がなる。その音に動かなかった思考が動きだし、間宮さんを押しのけて携帯をもって少し離れたところで電話に出る。




「もし、もし?」



【もしもし?俺だけど?ってか、大丈夫か?】




なんて、携帯から聞こえる大輝くんの声にスっと何かが落ちるような感じがして微笑んでしまう……





「なに?オレオレ詐欺ならお断りだけど?あ、もちろん私に息子も娘もいないからね?もし、居たとしても合言葉は?いってみ?言える?」



【はぁ?何言ってんの?俺は知ってるからな、お前の携帯に俺の名前がフルネームで登録されてんの。画面出るだろ?……そうだな、合言葉は……タイムイズマネー?】



「あ、失礼しました。そうですよね、電話してたらお金かかりますし……切りますね……それじゃ!」




なんて、笑いながらもこっそりと間宮さんがいた方を見れば間宮さんはいなくなっていた……




それからしばらく他愛もない会話をして電話を切った……が、大輝くん、なんの用事だったんだろうか?





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