私だけの場所。
月曜日、何故か私と千夏は放課後、生徒指導室に呼び出された。かと思えば、渡辺先生が居て……椅子に座るように言われた。
「ねぇ、なんで呼び出されたの?」
「そうだよ、先生……早く帰ってドラマの再放送見たいんだけど?」
なんて、私に続いて聞く千夏。そんな私達に先生は苦笑しながらも。まぁのめ、と紅茶を出してくれた。
「お前らを呼び出した理由は……まぁ、早くいえばお前らの喧嘩の件だ。」
「はぁ?私が由美と喧嘩したからってなんか迷惑かけてる?」
「あぁ、かけてる。クラスの匿名から早く解決してくれ。って苦情が来た。そいつ、すっごい居心地わりぃーみたいで、お前らに挟まれて嫌なんだと。そんで、俺に頼み込んできた。……と、言うわけで……佐藤、お前が思ってること全て神崎にぶつけろ。」
なんて、興味無さそうに指導室のパイプ椅子に背を預ける先生……千夏は軽く先生を睨み黙り込む。静まる指導室に気まずさが訪れ、私もパイプ椅子に背を預けながらも無表情の裏で気まづさと格闘する。
そうしてれば、千夏がチラチラと私を見てきて口をぱくぱくと開け閉めしている。それに気付かないふりをしてれば先生が笑い出す。
「佐藤、おまえ、鯉か?」
「な!?違うし!!あーー!もう!!あれでしょ!?言うまで帰れない感じでしょ!?言えばいいんでしょー!!」
「え、いや、言わなくても時間が来たら帰すけどな?」
なんて言う先生に千夏は私にからだを向けてはなしだしたので私も体を向けて話を聞く。
「えっと、何から話せばいい?」
「……取り敢えず。なんで文化祭の時から……いや、旅行の時から機嫌が悪くなったのか。」