私だけの場所。


千夏は一口紅茶を飲み口をひらく。




「旅行の帰りから不機嫌だった理由は……高台に残った私と立花の会話のせい。」




「会話?」



「……うん。その話の前に聞いて欲しいことがあるの……私、由美を利用してた……」




なんて、突然そう言って私を見る千夏に黙って見つめている。





「私と由美が出会ったのは偶然。でも、間宮さんと出会ったのは私がしくんだこと。あの頃、姉としたっていた人が亡くなって私が落ち込み、間宮さん達と知り合いだって噂もされ、クラスで孤立していた私に声をかけてくれたのが由美達だった。」



「それから、仲良くなって、由美と同じ高校に受験して……なんて、仲良くなって赤羽さんに由美達の事を話したりしてた。そんな時、間宮さんが由美に会いたいと言い出した。もちろん、間宮さん達の噂のこともあるから断った……けど、私は断り切ることが出来なくて……あの夜……由美を偶然たまたまその場に遭遇したように見せかけて間宮さんと合わせた。」




「それから、今の状況……みたいな?」




なんて、上目遣い出みてくる千夏に苦笑しながらも




「みたいな?で分かるわけないでしょ!?ってか、色々ぶっ飛んだよね!?最初に言った私を利用してた意味すら理解できない!それに、私、千夏と間宮さんの噂話?知らないよ!?……ゴホン……取り敢えず……質問!!」



「ドンと来い!!」




なんて、どこかスッキリした顔の千夏……




「千夏と間宮さん達の繋がりは?」



「最初に言ったかな?姉としたっていた人が亡くなったって。その人がね、間宮さんの彼女さんだったの。そのお姉さんとは家が近所で良く勉強を教えて貰ってたの。そんで、間宮さんと一緒にいるお姉さんに会って、お姉さん経由で話すようになってそのまま付き合いをつづけたまま?」




そうか……いつの日か間宮さんが見ていたあの女性の写真が彼女さんなのかな……なんて思いながらもこの前のことを思い出す……【愛してる】と言った間宮さんは私越しにその人を見てその人に言ったんだろうね。




なんて、何故か痛くも悲しくもない。




「じゃあ、なんで、間宮さんは私に会いたいと言ったの?」



「それは……拓真に聞いた話だけど……間宮さんの彼女さん……お姉さんは殺された。って聞いた。その犯人がこの学校にいるって知った間宮さんが、由美を利用するって言い出した。私はもちろん嫌だ。と言ったけど……私……お姉さんを追い詰めた人をこの目で見てやりたくて……由美を間宮さんにあわせ、利用しちゃった。由美を巻き込まず私一人でもできたことなのに……ほんとごめん……」




「………じゃあ、なんで、今まで何も言ってくれなかったの?」




「………由美が家出した時に間宮さん達とあった時、初対面のフリしたことも気になってるよね?それも合わせて……由美に黙っておくように口止めされてたから……」





なんて、千夏の目から涙がこぼれ落ちた……








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