私だけの場所。
グスッと鼻をすすりながらも千夏は話し続ける。
「口止めされてたの。拓真に……お姉さんが生きてる頃から私と拓真は恋人だった……好きで、好きすぎで……拓真のことを信じきって……言われたとおりに黙って言うことを聞いてた……でも、由美と仲良くなっていくうちにそれが正しいかわからなくなって……悩んでる時に……由美の最初の質問。旅行の後から機嫌が悪くなったのか、の答え……悩んでる私に立花が痛いところをついてきたから。」
膝の上で手をにぎりしめる千夏。
「あの時、高台に残った私とアイツに、私は間宮さんの邪魔をしないで。と言ったら、一番邪魔してんのはお前じゃないか。って……悩むなら間宮さん達と縁をキレ。って……突然出てきた奴に悩んでたことをズバッと言われて腹が立った……私と由美のあいだにズカズカと入ってくるし……ほんと嫌い!!」
なんて、いらいらし始めた千夏に苦笑しつつ落ち着かせるために紅茶を手渡す……マグカップいっぱいに入っていた紅茶を飲み干しドンと机に置く……
「まぁまぁ、コップ割れちゃうからね?」
なんて、コップに視線をやりながらも質問を続ける。
「じゃあ、最後に……間宮さんの噂って……なに?」
そう聞けば千夏は顔を伏せた後……私を見て口を開こうとした。が………
「その前に、俺の話を聞いてくれないか?」
と、空気だった先生が口を開いた。